ネズミの笑い声は「高音すぎて」人に聞こえない ネズミだって「嫉妬心」を感じる生き物だ
ネズミも笑い声をあげている
犬を飼っている人は、散歩中に犬が振り返り、まるで人間のように満足そうに微笑むのを見たことがあるだろう。
飼い主と十分信頼関係を結んだ犬は、飼い主と見つめあうとオキシトシンと呼ばれる幸せホルモンが分泌されることがわかっている。これは犬の祖先であるオオカミには見られない現象だ。優しく微笑み返してあげよう。
一方、馬が、歯茎を剥(む)き出して笑う写真を見たことがある人はいるだろうか。あれは笑っているのではなく、フレーメン反応と呼ばれる生理現象で、馬をはじめとして、猫やゾウやコウモリなどの哺乳類の鼻先に、特定のにおいがするものを突き付けると唇を剥き出すのだ。
野生では異性の尿に含まれるフェロモンを感知したときによく見られるが、人が飼育している状態では、たばこの煙や揮発油の臭いに対してその反応を見せることが多い。
これは、フェロモンを感じるヤコブソン器官(哺乳類は唇の奥のほうにある)を空気に触れさせることによって、より多くの臭い物質を感知しようとしていると考えられている。
残念ながら……というべきか、われわれ人間のヤコブソン器官は胎児期に退化しているため、われわれは鼻先に臭いものを突き付けられても唇をまくらないし、異性の尿にも興奮しない(もちろん例外はあるだろう)。
ちなみにネコ科の動物を狂わせるマタタビも、猫の性フェロモンに似た物質が含まれているので、ヤコブソン器官を通して猫を狂わせるのだ。
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