「年下世代のせいにする人」が今やめるべきこと ラグビーの名将・エディーHCが語る真理

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監督と選手の間に大きなジェネレーションギャップがあったとしても、問題にはならない。ここで、「自分の若い頃は~」と説教を垂れてしまう人は、指導者としてセンスがない。なぜならば、指導者はつねに次の世代を指導していくことが仕事であり、指導する相手を理解せずには、いい指導などできるはずがないのだから。

ミーティングのキーポイントは3つまで

ミーティングに関しては、なるべく15分以内で終わらせ、キーポイントを3つ以内に絞るように意識している。ダラダラと話を垂れ流す、朝礼の校長先生のようなミーティングをしていては今どきの選手たちはついてこない。

また選手同士でグループディスカッションをさせるときも、4人までという縛りを設けている。この人数であれば、1人ひとり顔を合わせ、アイコンタクトをしながら話をすることができる。

基本的に私が前に立って、全員に向かって話すというスタイルではなく、選手の自発的な参加を促す。とくに、若手でもオープンに発言できるような雰囲気づくりを意識する。

外的な環境も重要だ。部屋の明るさ、壁の色、部屋の温度などにもこだわる。何かを学び、得る環境に最適化していく。

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また、ミーティングのスタートには“プライマ”と呼ばれる、脳に刺激を与える小ネタを挟んだりする。それはジョークの類であったり、何かしらの映像であったり、クイズを出したり状況によってさまざまであるが、コーチ陣と相談しながらネタを練っている。

このように、現役世代をミーティングに入ってこさせるためにさまざまな工夫を凝らしている。

メッセージは短く、簡潔に、そしてパンチがあるものを。入り始めは少々工夫が必要だが、一度引きずり込めばまじめに学習し、吸収する力が強いのが現役世代の特徴だ。

とにかく昔のように、ホワイトボードの前にコーチが立ち、延々と一方的なメッセージを送るようなやり方は、今は有効ではない。私が選手時代に指導されたようなやり方ではだめだ。

現役世代がどのようにものを学ぶかを、私が学ばなければならない。私にとってのプレッシャーは、こうした新しい世代に対応することでもある。

エディー・ジョーンズ ラグビー指導者、ラグビー・イングランド代表ヘッドコーチ、元ラグビー日本代表ヘッドコーチ

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Eddie Jones

1960年生まれ。オーストラリア人の父と日本人の母を持つ。ラグビー選手として現役時代はニューサウスウェールズ州代表として活躍。1996年プロコーチとしてのキャリアを日本でスタート。オーストラリア代表ヘッドコーチなどを経て、2012年に日本代表ヘッドコーチ就任。ラグビーワールドカップ2015では優勝候補の南アフリカ代表を初戦で撃破するなど3勝をもたらす。 2015年11月にラグビーの母国・イングランド代表のヘッドコーチに外国人として初めて就任。日本で開催されたラグビーワールドカップ2019では準優勝を果たす。世界で最も多くの勝利を知るヘッドコーチ。
 

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