箱根駅伝3位「国学院大」支える42歳名将の凄腕 1月2~3日の本番に向けて今年も虎視眈々

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順番は前後したが、先にも書いた通り、全日本の後の記録会では、河東と木付が10000mの自己記録を大きく更新し、中西も10000mで国学院大記録を打ち立てた。中西が出場した八王子ロングディスタンスの最終組には、他大学の主力も多数出場していたが、積極的にレースを進め、競り勝って学生トップだったことも評価できた。

一方、藤木と臼井は、全日本後に記録会には出場せず、合宿などで走り込んで箱根に備えた。箱根に向けたアプローチの選択も、選手によってそれぞれだった。

選手が「上に行きたい」と思わなければ変わらない

思い返せば、昨季も、出雲駅伝で優勝した後、全日本は総合7位と出雲からは大きく順位を落とした。それが起爆剤になって、箱根では再び結果を残すことに成功した。今季も、不振に終わった全日本に大きな気付きがあった。

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「やはり、指導者が“何番を目指すんだ”って発破をかけるのではなく、選手たち自らが“上に行きたい”って思わなければ、変わらないんですよね。全日本でシード権を落として、そういう気付きがあったんだと思います。

今季は、出雲がなかったし、多摩川5大学対校ではボコボコにやられて、さらに全日本もダメだったので、ちょっと自信を失いかけていたところがあった。だからこそ、全日本の後の記録会で好記録が出たのは大きかったと思います」

箱根が近づき、国学院大に勢いが出てきたのは間違いない。既出の5人に加え、前回最終区で2人を抜いて3位に押し上げた殿地琢朗(3年)が、チームの軸になる。

また、育成のチームらしく4年生が8人も、箱根駅伝の16人の登録メンバーにエントリーされた。その多くは箱根1本にかけて地力を蓄えてきた選手たちだ。

全日本までの結果を見れば、そんなに下馬評は高くないかもしれない。だが、その下馬評を覆し、今回も上位を狙いにいく。

和田 悟志 ライター

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わだ さとし / Satoshi Wada

1980年生まれ、福島県出身。大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。その後、出版社勤務を経てフリーランスに。陸上競技やDOスポーツとしてのランニングを中心に取材・執筆をしている。

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