箱根駅伝3位「国学院大」支える42歳名将の凄腕 1月2~3日の本番に向けて今年も虎視眈々
「今年、来年が本当の勝負ですよね。さらに一段上にいけるのか、それとも引きずり下ろされてしまうのか。チームとして“もっとやれるんだ”ということを、もっと発信していかないと、一過性のもので終わってしまう」
こう話すのは国学院大学・陸上競技部監督の前田康弘氏だ。国学院大・駅伝チームは今、大きく変わろうとしている真っただ中にいる。
大躍進を遂げた昨季の国学院
昨季は「歴史を変える挑戦」というフレーズをチームスローガンに掲げた。このフレーズは前年度から踏襲したものだったが、大学三大駅伝の一つである出雲駅伝で初優勝すると、箱根駅伝では総合3位に食い込み、大躍進を果たした。
それまでの国学院大はというと、箱根駅伝ではシード権を獲ったり獲れなかったり、どちらかといえば、シード権争いの渦中にあることが多く、“中堅校”というイメージが強かった。昨季の活躍で、世間の国学院大のイメージもガラリと変わったのではないだろうか。まさに、フレーズの通りに、彼らの挑戦は、歴史を変えたと言っていい。
「前回の箱根駅伝の3位は、これから国学院をどんどん強くしていくための“序章”としての3位だったと思っています。3位が“ゴール”だとは思っていませんから」
昨季は、前田にとって監督に就任してちょうど10年目のシーズンだった。この間には予選会で敗れたこともあったが、10年かけてようやく真の強豪校に進化するための足掛かりを築き上げた。それだけに、前回の躍進を“一過性”に終わらせないためにも、今季も気を緩めるわけにはいかない。
だが、昨年度は、土方英和(現・Honda)、浦野雄平(現・富士通)、青木祐人(現・トヨタ自動車)という4年生トリオが強力だったのも事実だ。土方の強烈なキャプテンシー、特殊区間もこなす浦野のマルチぶり、青木の爆発力、それぞれが個性を発揮して、躍進に結びつけた。
彼らのうち一人でも欠けていたら、歴史を変える挑戦は完遂していなかったかもしれない。それゆえ、今季は、戦力ダウンが懸念材料で、彼らが抜けた穴をいかに埋められるかが大きな課題だった。
さらに……。
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