箱根駅伝3位「国学院大」支える42歳名将の凄腕 1月2~3日の本番に向けて今年も虎視眈々
10000mは28分台が学生トップランナーの目安とされているが、現時点で、中西、藤木、河東、木付、島﨑慎愛(3年)の5人がそのタイムを持ち、チーム内上位10人の平均タイムは、国学院大史上初めて28分台に突入した。つまり、記録の面では昨季を上回るチームに仕上がってきたのだ。
しかし、昨季の4年生が抜けた穴が埋められたのかというと、箱根駅伝の前に判断するのは早計かもしれないが、現時点では“まだまだ”という印象も残る。
10月4日、中止となった出雲駅伝の代替試合として開催された多摩川5大学対校長距離競技会では、前回の箱根駅伝では勝利した明大、駒大に敗れて3位。11月1日の全日本大学駅伝では“5位以内”を目標に掲げていたが、9位に終わり、2年連続で保持していたシード権(8位までに与えられる)を惜しくも逃した。
大きなミスはないが、爆発力に欠ける
ただ、レース内容を見ると、走った8人全員が区間10位以内と大崩れすることはなかった。また、総合記録も国学院大歴代最高記録だったのだから、力を出し切ったと見ることもできる。だが、監督の前田の言葉は厳しいものだった。
「確かに“失敗はなかった”って皆さんに言ってもらえますし、選手たちの頑張りは評価できます。でも、僕らは今年、箱根駅伝で3位以内を目標に掲げているのですから、今のままでは達成できない。ここで評価してしまったら、箱根ではシード権(10位までに与えられる)を守る、という発想に傾いてしまいますから。
上で戦うには、うちには大砲がいません。それまでいい流れでレースが進んでいたとしても、ちょっとしたミスがあるだけで、その流れが打ち消されてしまうことがある。“ホームランを打てるバッターが少ない”“つなぎのアベレージが低い”というのが、全日本で分かったことでした。箱根の前にいい経験になったと思います」
上位校は多少のミスがあっても立て直すことに成功していたが、国学院大の場合、大きなミスはなくとも“爆発力”に欠けていた。その課題は、選手間でも共有できていたのだろう。
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