この秋の恋ドラマがトレンド1位連発する凄み

全盛期を彷彿「クリスマスの最終回」に回帰へ

さらに「#リモラブ」は、ある企業の産業医・大桜美々(波瑠)と、人事部の青林風一(松下洸平)がコロナ禍の中、ネット上で知り合い、恋心を抱きはじめるというストーリー。緊急事態宣言や外出自粛の日々を経て「恋がしたい」と感じ、顔も名前も知らない相手に惹かれ、同じ会社に務めている人と知って動揺し……というコロナ禍における恋の過程が丁寧に描かれています。

この3作に共通しているのは、展開を急がず、心の機微をじっくり描いていること。また、それを実現させるために、同じ職場で働く男女の恋を描いていること(コンビニ、ホームセンター、商社)。

近年の恋愛ドラマは「視聴者を飽きさせない」「画面に引きつける」ために、序盤でつき合いはじめたり、体の関係を持ったりするハイテンポな作品が主流ですが、この3作は真逆のスタンス。「近づきそうでなかなかうまくいかず近づけない」「好きだからこそ悩み葛藤してしまう」「交際がはじまったあともまだわかり合えたわけではない」などの感情をスローテンポで描くことで視聴者の感情移入を誘い、トレンド1位につなげているのです。

かつては「クリスマスの最終回」が定番

もともと連続ドラマにおけるラブストーリーは、これくらいか、あるいはそれ以上のスローテンポが定石。「回を追うごとに少しずつ心の距離が近づき、結ばれたと思ったらまた離れて……」という幸せともどかしさが行き来するような構成で、登場人物への共感や応援を誘っていました。その意味で今秋の3作は、1980年代後半から1990年代の“恋愛ドラマ全盛期”と似た構成の作品なのです。

そんな本来の魅力を感じさせる恋愛ドラマを手がけたのは、「この恋あたためますか」の神森万里江、「姉ちゃんの恋人」の岡田惠和、「#リモラブ」の水橋文美江。3人の脚本家たちが原作のないオリジナルに挑んでいることが視聴者の熱狂につながっているのです。

そもそも1980年代後半から1990年代の恋愛ドラマ全盛期は、その多くが秋に放送され、「秋ドラマと言えばラブストーリー」というイメージがありました。「毎年10月になると恋愛ドラマがスタートして、クリスマス付近の最終話まで11~12話かけて放送する」のが定番だったのです。

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