人口少ない「Z世代」がここへ来て狙い目なワケ コロナでも「消費マインド」旺盛で親世代に波及

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2008年のリーマンショックは「金融不況」と言われ、政府が金融機関にお金をつぎ込むことで乗り越えることができました。

それに対して、今回の新型コロナショックは「消費不況」であり、GDPの半分以上を占める個人消費が復活しないと、この危機は乗り越えられないと言われています。

そのためには、消費者の消費マインドを復活させる必要がありますが、日常消費に比べ、この「非日常消費」に対する消費マインドを戻す作業はかなり大変です。

なぜなら「うちのコロナ対策は万全」と安心・安全を訴求しただけでは、非日常なモノを買いたい、非日常なところへ行きたいという消費マインドは触発されないからです。非日常に対して消費したいと思わせる――つまり、ドキドキワクワクした気持ちを触発しないといけないのです。

非日常消費マインドを刺激するには

余談になりますが、政府が行っている「Go To トラベル」「Go To イート」キャンペーンは単なる値引きにすぎません。これを利用する人は多いでしょうが、その動機は単に「得するため」であり、このキャンペーンの終わりとともに国民の非日常に対する消費マインドは盛り下がってしまうかもしれません。

2007年に菅総理が総務大臣の時に創設を表明した「ふるさと納税」は、「得するため」という動機以上に、「地方を応援したい」というドキドキワクワクが刺激されるものでした。

新型コロナで弱った非日常消費マインドを、単なる割引ではなく、ドキドキワクワクするコンセプトで刺激する施策を政府にはぜひ考えてもらいたいですし、ホテルや旅館や飲食店も、コロナ前以上にドキドキワクワクを提供しないと、非日常消費マインドは戻りません。

一方、予算は小さいものの、「Go To 商店街」は、商店街がイベントなどを実施することで、近くに暮らす消費者や生産者などが「地元」や「商店街」の良さを再認識するきっかけとなる取り組みを支援するもので、単なる割引ではなく、知恵にお金を払う仕組みになっているのですばらしいと思います。

ドキドキワクワクという知恵を出すことができる商店街は、アフターコロナの時代にもそれを活かせるはずです。もちろん、知恵が出せなかった商店街は苦しむでしょうが、単なる割引での支援には長期的視座がありません。このドキドキワクワクこそ、今後の日本経済復活の鍵となることは間違いありません。

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