グッズ売り切れ続出、大化けした妖怪ウォッチ

ゲーム会社が仕掛けた緻密な戦略とは

子供たちを魅了する妖怪ウォッチとはどんな内容なのか。ストーリーは、小学5年生の主人公ケータ(天野景太)が妖怪のウィスパーと出会うところから始まる。ウィスパーから妖怪ウォッチを渡されたケータは、街の至る所で妖怪が見えるようになり、妖怪ウォッチを使って悪い妖怪を倒す。さらにその妖怪を友達にしていく。

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レベルファイブの日野晃博社長(撮影:尾形文繁)

仕掛け人は、ゲームソフト会社レベルファイブの日野晃博社長。人気ソフト『レイトン教授』シリーズなどを手掛け、業界内では名の知れた存在だ。妖怪ウォッチは、ゲーム会社発のコンテンツであることから、「第2のポケモン」との呼び声もある。

こうした成功の要因について、ゲーム業界に詳しい岡三証券の森田正司アナリストは「ゲームソフトを軸にクロスメディア展開しており、その考え方がぶれていない」と話す。クロスメディア展開とは、一つのコンテンツをゲーム、テレビ、雑誌、音楽、グッズなど、多くのメディアへ横展開する手法だ。妖怪ウォッチは、11年10月に企画を発表した時からクロスメディア展開を前提にしていた。

蓄積されたノウハウを活用

実は、レベルファイブにとって、こうした取り組みは3回目だ。最初に手掛けたのは、08年8月にニンテンドーDS向けに発売した『イナズマイレブン』だった。サッカーをテーマにしたストーリーで、ソフト発売の2カ月後にアニメの放映を開始。11年6月には第2弾でロボットが主役のプレイステーション・ポータブル向けソフト『ダンボール戦機』を発売し、その3カ月前にアニメを放映した。両コンテンツともに、グッズ販売やコロコロコミック連載などの実績がある。

ゲーム発売と前後して、アニメ放映を開始。それに合わせて、マンガの連載やグッズの販売などを行うというノウハウは、今回の妖怪ウォッチでも存分に発揮された。

もちろん、クロスメディア展開だけでヒットしたわけではない。日野社長が最も重視したのは、妖怪ウォッチの世界観だ。

次ページ目指したのは「現代のドラえもん」
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