マッキンゼーが加担した「不正」驚愕の全容

大量の中毒死招いたオピオイド販促を後押し

ニュージャージー州のフィル・マーフィー知事(民主党所属)は11月、マッキンゼーがパーデューに行った助言、中でも患者がオキシコンチンを過剰摂取した場合に、CVSのようなドラッグストアなどにリベートを支払うという提案は「常軌を逸している」と報道陣に語った。ただ、その一方で同知事は、同州とマッキンゼーとの多岐にわたるビジネス関係は維持するとした。

ニューヨーク・タイムズはエリング、ガタクの両氏にコメントを求める電子メールを送ったが、返答はなかった。エリング氏はマッキンゼーが多数の製薬企業のために巨大なオフィスを構えるニュージャージー州を何年にもわたって拠点としてきた。

こうした製薬企業の中には、マッキンゼーのクライアントの中でも最大級のものがいくつか含まれる。ところが、同社のウェブサイト上で最近更新されたエリング氏のプロフィールを見ると、バンコクに転勤となったようだ。マッキンゼーの中では、タイの市場規模は比較的小さい。

一方、2000年からマッキンゼーのシニアパートナーを務め、ニュージャージー州での勤務歴もあるガタク氏は、ペンシルベニア大学で医学博士号を取得している。同氏はマッキンゼーで、発展途上国における医療ケア水準向上の必要性について報告書を執筆していた。

独裁政権も含まれる顧客リスト

マッキンゼーについては、独裁政権など物議をかもすクライアントにコンサルティングを提供してきた実態がさまざまな報道で明らかになっている。これを受けて同社は、引き受ける案件の選定基準変更を進めていると明かした。

「コンサルティング業界は調査の対象となる事案をたくさん抱えている。マッキンゼーの名前が取り沙汰されるのが今回で最後だと考えてはならない」。11月、ニューヨーク・タイムズがマッキンゼーの不正を報じた数時間後、北米担当マネージング・パートナー、リズ・ヒルトン・シーゲル氏率いるマッキンゼーの最高経営幹部数名は従業員向けにメモを作成し、そこにこう記した。

「過去を変えることはできないが、過去から学ぶことはできる」

(執筆:Walt Bogdanich記者、Michael Forsythe記者)
(C)2020 The New York Times News Services

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