「Go To」は史上最悪の経済政策かもしれない 気持ちは分かるが、菅政権は過ちを犯している

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今シーズンの競馬は本命馬が勝ち続けているが、6日に行われるチャンピオンズカップカップ(G1、中京競馬場11R、距離1800メートル)は、いままでのどのレースより堅いレースだ。理由は2つ。1つは、クリソベリルという、国内では無敗の圧倒的に強い馬がいること。もう1つは、ダートのレースであるということだ。

日本における一般的な認識と異なり、ダートレースこそが競馬の本質であり、芝よりも優れた競技レースである。

なぜなら「能力検定」において、紛れが少なく、正確な結果が出るため、価値が高いからだ。日本の芝コースは、特有のスピードが出る軽い芝である。そのため、海外調教馬はほとんど来なくなってしまった。

一方で、先日のジャパンカップは断然本命のアーモンドアイが勝ったが、「死角」として挙げられるのは、秋シーズンの末期であるため、ときとして力のいるボコボコの芝になっていたりすることだ。また競馬場によっては一瞬のスピードが要求されたりすることから、コース取りなどでも明暗が分かれる。騎手、展開、運などの要素が、馬の能力以上に必要とされる場合があるのだ。

実力馬が強いダートG1の本命はクリソべリル。相手は?

そこへ行くとダート戦はスピードも力もスタミナも要求されるため、ほとんどの馬が全力を振り絞る。それゆえ紛れが少ない。確かに雨によって砂の状態は変わるかもしれない。だが水分量以外は、レース施行者の手によって、状態をコントロールすることができるので、コースの状態を一定に保てる。

また、最後の直線だけでは勝負にならないので、極端なハイペースで先行馬がバテるというようなケースを除けば、展開の影響も小さい。実際、ダートで強い馬の多くは、先行集団で好位置につけ、そのまま差し切ることが多い。実際、一流馬はダートしか走らないと言っても良いアメリカでは、ほとんどの有力馬が先行する。力が違う場合には、スピードに任せてそのまま逃げ切る。フランスの凱旋門賞のようなレースとは全く異なったレースとなる。

凱旋門賞のようなレースは、それはそれで面白い。だが、純粋な馬のスピードとスタミナと底力をみるためには、ダートの方が優れている。したがってダート戦は、本命馬が勝つ。地方競馬である大井競馬場でのレースでもそうだし、JRA(日本中央競馬会)が主催する中央競馬のコースでも同じである。

よって、本命はクリソベリル(8枠15番)。断然なので単勝を買っても仕方がないので、相手を考えると、JRA主催ではない地方競馬のダート戦を戦ってきた馬の方が信頼できる。さらに、JRAのレースなら昨年のこのチャンピオンカップか今年のフェブラリーステークスという砂のGIで実績のある馬を買いたいところだ。

よって、相手はチュウワウィザード(6枠11番)とゴールドドリーム(1枠2番)。穴なら、前走に目をつぶって、モズアスコット(6枠12番)。

小幡 績 慶應義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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