豊田通商、業界順位にこだわらない決定的理由 時価総額で丸紅を抜いて商社業界で「5番手」
丸紅さんと比べるのはおこがましい
――2020年8月末に著名投資家のウォーレン・バフェット氏が日本の5大商社に投資していることが明らかになりました。豊田通商は投資対象には入りませんでした。
ニュースが流れた瞬間に、うちは入ってないんだなとわかった。まさか日本の商社株に投資するとは想像していなかった。ただ、商社株に注目が集まることは、日本の株式市場、経済にとってプラスだったと思う。
当社の経営企画室の担当者に、「なぜバフェット氏が投資されなかったのか勉強してみなさい」と言ったが、私なりにその答えは持っている。
――それは、どのような?
いろいろな要素があると思う。まず、純利益の規模が上位5社には入っていないし、他商社とは違い資源事業もほとんど手掛けていない。株の流動性もあったかもしれない。ほかの商社には保有比率10%を超える株主はいない(豊田通商株はトヨタ自動車が約2割、豊田自動織機が約1割を保有している)。
PBR(株価純資産倍率)でいえば、豊田通商は1倍を超えている(12月3日時点で1.14倍)。商社業界で現在、PBR1倍を超えているのは伊藤忠さんとうちだけ。どれが決定的な要因なのかはバフェット氏に聞いてみないとわからないが、複数の指標から総合的に決めたのだと考えている。
――今年に入り、時価総額では丸紅を抜いて、豊田通商が業界5位になりました。「ついに抜いたぞ」というような感想ですか?
丸紅さんは立派な会社なので、比べるのもおこがましい話だ。時価総額は最大のステークホルダーの1つである株主からの評価であり、期待値だと考える。様々な比較があっていいと思うが、特にこだわりは持っていない。
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