大手鉄道会社「南海だけ」営業黒字、納得の理由

各社の配当予想は会社ごとに戦略の違いが出る

2020年度の業績予想とともに各社の年間の配当予想も発表された。配当予想は会社ごとに大きく違う。

阪急阪神HDは2019年度と同じ50円配の計画だ。まだ業績予想を発表していない8月の時点で早々と第2四半期末25円、期末25円、計50円の配当予想を発表した。京成も2019年度と同じ年17円配の計画だ。両者ともに年度ごとの業績のぶれに左右されることなく安定した配当を行いたいという考えの表れといえる。

JR九州も2019年度と同じ93円配の計画。ただ、2019年度は第2四半期末46.5円、期末46.5円、計93円だったが、2020年度は第2四半期が無配で、期末にまとめて93円を配当する。

東急も2020年5月、業績予想の発表に先駆けて、2019年度と同じ23円配の予想を発表した。第2四半期が11円配で、期末に12円配という計画だった。しかし、11月に業績予想を発表したタイミングで第2四半期が10円配、期末10円配、計20円配という予想に修正した。

西武、近鉄は無配予想

西武HDと近鉄HDは無配予想だ。西武HDは子会社の西武鉄道とプリンスホテルが優先株発行による資金調達を行う。同社は、資産から負債を引いた純資産が一定額を下回ると一部の借金の返済を金融機関から迫られる契約を結んでおり、資本を増強する必要性がある。そのため、配当よりも内部留保が優先された。近鉄HDも「財務健全性の改善に最優先で取り組む」としているため無配予想となった。

東武鉄道の2019年の配当は40円だったが、2020年度は20〜30円と幅をもたせた。期末時点の動向が不透明というのがその理由。相鉄HDと名古屋鉄道は配当予想を未定としている。

そんな中、JR東海は130円の配当を予想している。前期の150円から20円減にとどめた。リニア中央新幹線の工事が本格化する中で、資金流出を抑える必要もあるが、同社は財政投融資で3兆円の建設費を確保しており、当面はそれを取り崩してリニア工事費用に充てることができる。配当性向も他社と比べて低い水準にあり、その点がコロナ禍においてはむしろ幸いしたといえそうだ。

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