フィールズ、円谷プロ「子会社化」の狙い パチンコ・パチスロ機映像に活用へ
ジャスダック上場で、パチンコ・パチスロ機など遊技機の企画開発・販売を主体とするフィールズは3月17日、特撮ヒーロー「ウルトラマンシリーズ」で有名な円谷プロダクション(東京都世田谷区)を、連結子会社化すると発表した。
円谷プロの親会社で、コンテンツビジネスを手掛けるティー・ワイ・オー(TYO)と、同社が保有する51%分の円谷プロ株を、すべて買い取ることで基本合意した。ウルトラマンシリーズのコンテンツを主力の遊技機ビジネスへ積極活用するのが最大の狙いとみられる。同時にフィールズは、TYOが4月2日付で第三者割当により処分する自己株式(約15%)を買い取り、TYOの第2位株主となる見込みだ。
アニメや映画、ドラマなどのキャラクター映像を採用した遊技機が、パチンコ産業の主流となる中で、人気作品を中心にコンテンツを使用する権利である版権の争奪戦が過熱。版権価格の高騰にもつながっている。
フィールズは円谷プロを傘下に取り込むことで、「ウルトラマンシリーズ」の版権を囲い込み、安定的かつ有効的に遊技機ビジネスに活用するとともに、円谷プロの49%の株式を保有するバンダイとも連携して、キャラクター商品や映画など関連するビジネスの拡大ももくろむ。
フィールズは4月上旬をメドに、TYOと円谷プロ株について譲渡契約を結ぶ計画。買収金額など詳細は今後詰める。株式取得後、円谷プロはフィールズの連結子会社となる。
円谷プロの直近業績は2009年7月期で売上高35.77億円、営業利益が3.74億円。総資産は18.62億円で純資産はマイナス8.32億円と債務超過状態にある。TYOの業績は直近で低迷しており、資本増強と業務改革を迫られていた。
フィールズが狙うのは、「ウルトラマンシリーズ」映像の有効的な活用だ。遊技機業界で使われる人気コンテンツの映像のうち、往年の名作は作品自体が古く、今の技術で映像を撮り直したり、キャラクターを活用して新たな映像をつくったほうが、遊技機としての質は高くなる。
一方で、権利者が原作のイメージを守ろうと、遊技機化する際に制約をきつくかけるケースもある。だが、みずからコンテンツ保有者を傘下に収めてしまえば、そうした心配はなくなる。遊技機業界では、大手メーカーのSANKYOも、アニメ制作会社サテライト(東京都杉並区)と06年に資本提携。同社の筆頭株主となり、グループ企業に加えた。
フィールズは円谷プロ連結化による業績への影響について、今後の資産査定や取得時期などを踏まえて、判明次第公表する計画。「東洋経済オンライン」も、現時点では従来の予想数値を据え置く。今後の個別取材等を踏まえ、見直しを検討する。
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