車いす建築士が指摘、駅「多目的トイレ」の課題

駅のバリアフリーは、改善すべき点が多い

駅のバリアフリーはまだまだ改善すべき点が多い(写真:SEKIGUCCI/PIXTA)

筆者は乗り物ライターだが、ホームヘルパー2級と視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、訪問介護の現場に長年従事した経験がある。

2020年10月24日付記事(車いす利用者と新幹線に乗ってわかったこと)では、NPO法人「車椅子社会を考える会」の篠原博美理事長と一緒に、東海道新幹線を利用した。

篠原さんは1級建築士として活躍し、車いす利用者の立場から駅や鉄道車両へのアドバイスも行っている人物だ。

健常者でも、事故や老化などで誰でも車いすを使う可能性がある以上、バリアフリー社会の実現はすべての国民に関係する。そこで、篠原さんに車いす利用者の立場から見た鉄道の課題について聞いてみた。

コロナ渦でユニバーサルデザインがトーンダウン

――車いす利用者として、現状の公共交通機関をどう感じていますか?

東京パラリンピックを前に、大企業が私たち車いす利用者を集めて、ユニバーサルデザインについての意見を聞いてくださいました。デザインの完成度を高めるための各種企画も進められていましたが、コロナ渦でトーンダウンしているのは残念です。

――ユニバーサルデザインは公共交通デザインにも関係していますからね。

はい。デザインの良しあしで使いやすさは大きく変わります。例えば、都営大江戸線や大阪メトロ、台湾の地下鉄を利用した際には、車両の出入り口とホームの高さが合わせられており、スロープを設置せずとも電動車いすで列車に乗りこめました。

技術的にはホームと車両の高さを合わせられると聞いていますので、時間をかけてでも出入り口とホームの高さを整えていただきたいですね。

都営大江戸線は、障害者対応デザインが整えられていますが、そのことにとどまらず、混雑している状況でも、駅員さんが1人付き添ってくれるので安心して利用できます。

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