メーカー的思考に陥らず、ユーザーのニーズにあった技術力が必要--佐藤光由・ニッケ社長

メーカー的思考に陥らず、ユーザーのニーズにあった技術力が必要--佐藤光由・ニッケ社長

羊毛紡績を中核として成長を続けてきたニッケ(日本毛織)。現在では、老舗の繊維事業に加え、産業向け計測器や自動車資材、不動産開発、生活関連など6事業を抱え、「6事業すべてが主力事業」として位置づけている。2016年に創業120周年を迎えるニッケの今後の戦略は何か。09年12月に社長に就任した佐藤光由社長は「ユーザー視点に立った技術開発力の重要さ」を根幹に据える。

--主力6事業の足元の状況はどうか。

2010年11月期の業績予想に沿って足元は進んでいる。売上高880億円、営業利益35億円。6事業でデコボコはあるものの、ほぼ予想に沿った動きだ。売上高で現在5割を占める繊維事業では、ユニフォームは問題なく利益が出ている。ただ、売糸とテキスタイルが08年央からのリーマンショックの打撃を受け苦戦している。

資材事業は、もう少し大きくしていきたい。成長産業だと認識している。フィルターなど「チラノ繊維」といった付加価値の高い製品は引き合いも強い。海外でのOEMで、釣り糸やガットなども拡大できると見ている。

自動車関連向けは今年は回復するものの、フル回復は11年になるのではないか。この事業も規模を大きくしたい。エンジニアリング事業は画像検査装置など半導体メーカー向けに動きが出てきた。今後は自社の設計・開発力を強化し、資材事業とともに将来はM&Aも視野に入れている。

不動産など開発事業は、収益性がより高くなるようにポートフォリオを改善していく。余剰土地を活用して高収益物件への資産の入れ替えを行いたい。コミュニティ事業はゴルフやテニス、介護事業の拡大を図る。生活流通事業はペットフードなど足元を固めていく。また海外展開を含めた戦略を立てていく。ブランディング商材などの獲得も検討中だ。

--6事業いずれも本業ということでニッケの経営は進んでいるが、繊維事業は売上高の半分を占める。世界的に状況は厳しいが。

売上高の半分を占めるといっても、繊維は何割、資材は何割といったような相対値の目標はもともと掲げていない。どれも拡大できれば拡大させる、という方針だ。結果、繊維が5割となっているが、これが4割になっても6割になってもかまわない。要は成長できるところはとことん成長させるということだ。

繊維事業の場合、09年の反省点は「グローバルに戦えないと生き残れない」ということ。衣料は海外展開に力を入れる。09年に「海外営業部」を新設した。北米、欧州、アジアと海外のニーズを捕まえてくることがこの部署の仕事だ。

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