海外帰国者「公共交通利用せず」守られているか 空港から乗ろうと思えば乗れてしまう現状

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筆者は今回、羽田空港から入国したが(10月中旬)、飛行機が空港の駐機スポットに入ってから税関を出るまで、トータル1時間程度で収まった。これは、そもそも定員200人弱の機体に50人ほどしか乗っておらず、もろもろの手続きが簡単だったという事情もある。むしろ満席のフライトで荷物が出るまで延々と待たされる状況より楽に感じたほどだ。

このあと、入国者らには「所定の場所」での14日間の待機が待っているが、税関を出たのちは驚くほど自由に行動できる。これは外国人の日本入国者(一部の特例による入国者を除く)でも同じだろう。

いったん到着ロビーに出ると、買い物をしようが、お茶を飲もうが、宅配便を出しに行こうが一切お咎めがない。「陰性であればもう安心」と言わんばかりの対応を見て、筆者自身が拍子抜けしてしまったほどだ。

検疫所は帰国者の便宜を図るため、空港周辺のホテルなどへの無料周回バスを準備している。このバスに乗るための待ち合いスペースも用意してあるが、特別な囲いもなければ、出入りの人数をカウントすることもなく自由に使える状況だった。

公共交通利用者がいてもおかしくない

筆者は「検疫所の要請」がある以上はそれを順守しようと、検疫所が仕立てたバスに乗り、川崎市内のホテルへと向かった。

羽田空港の場合、周回バスは川崎方面と品川方面のルートがあり、8時台~22時台までそれぞれ1時間おきに走っている。筆者はあらかじめ、羽田の検疫所にこのバスの運行ルートを確認したうえで、川崎のホテルを自分で予約した。バスは大型だったが、乗客は自分を含めて2人だった。

空港を出てからもとくに「隔離の必要がある入国者」という扱いは受けなかった。空港からホテルまでのバスの運転手は予約したホテルはどこかと尋ねたうえで筆者らをホテルの前で降ろしてくれ、ホテルでも「明らかに外国からやって来た風情」がある筆者にとくに何も尋ねることなく、普通にチェックインできた。

今回は早朝に到着したため、ホテルのチェックイン予定時間まで4~5時間ほど余裕があり、筆者はしばらく空港内で到着客らの様子を観察していた。あくまで肌感覚だが、出迎えの家族らと合流するなどしている人は少数派で、1人で到着した帰国者らは次々とどこかに消えてしまっていた。

こうした人々の一部に、公共交通機関を利用して移動した人がいる可能性は否定できない。厚生労働省は「あくまで要請であり、取り締まっているわけではないので実態はなんとも言えない」という。

帰国・入国者が検査前に記入する「質問票」(検疫所によると、これはPCR検査の有無を問わず全員が記入する必要がある)には、隔離期間の14日間の滞在先などとともに「公共交通機関を使用せず移動する方法を確保していますか」という問いがある。厚労省成田空港検疫所によると、公共交通を使わないかどうかは「それで確認している」という。

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