趣味の「撮り鉄」、どこから迷惑行為になるのか

行き過ぎた「マナー違反」は法律で罰せられる

これに関連して、線路脇にある施設からの撮影について述べておきたい。
当たり前だが管理者の承諾がない限り私有地の立ち入りは許されない。一方で私有地であっても不特定多数の人を対象に開放されているような場所もある。営業時間中の商業ビルやショッピングセンターなどが典型例である。

商業ビルやショッピングセンターなどは、むしろ不特定多数の人に訪問をしてもらい建物内の商業施設を利用してもらうことを目的としているから、よほどのことがない限り入場を拒否することはない。

では線路脇に存在する商業ビルやショッピングセンターの駐車場などの敷地から列車の撮影をすることは何の問題もないのか。

“黙認”に甘えてはいけない

商業ビルやショッピングセンターなどが不特定多数の人をとくに選別することなく入場させるのは、入場する人を施設に用のあるお客さんと推定するからである。施設に明らかに用のない人までも積極的に入場させるということではないだろうが、入場しようとする人を見て施設への用事の有無を判断することは難しいから一応区別せず入場させるのである。

施設が自ら「鉄道撮影スポット」などと売り出して撮影者を積極的に誘引しているのであれば、入場のうえルールを守って撮影することに問題はない。しかし、撮影者を積極的に誘引しているわけではない施設で、買い物などの目的も用事もまったくない人が、ただ列車の撮影目的だけで入るのを施設が無条件に歓迎することもないだろう。それでも施設に入場する際に文句を言われないとしたら、せいぜいなところ大人しく撮影するなら仕方ないと施設が暗黙のうちに承諾しているからにすぎない。

他の利用者に迷惑がかからないうちは施設もそのまま黙認をしてくれることもあるかもしれない。しかし、黙認に甘えて、三脚を立てたり多くの撮影者が訪れたりして、本来の利用に支障が出ることになれば、もはや黙認はできず撮影目的での立ち入りを不許可にすることもあるだろう。

もし施設内でトラブルが起きたり、不測の事故が起きたりすれば、施設管理者が責任を問われかねない。「駐車場で生じた事故について施設は責任を負いません」というような看板が出されていることがあるが、それでも安全管理が不十分だと認められれば施設側も事故の責任を免れないこともある。施設に何の用もない趣味人のためにそこまで施設がリスクを負うことをするはずもない。

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