「社内でアイス食べる新人」を注意した男の失敗 正論も言い方次第で「身の破滅」を招く
それでも、結果として“人前で注意された”新人は会社を辞めてしまったというのです。「遅刻するなんて気が緩んでるぞ」などのようにつるし上げたわけではありません。
たとえ言い方はソフトであっても、周囲に同じ仲間がいる前で注意したのは講師の悪手でした。その場は何事もなかったようにふるまって、講義後に個人的に彼にひと言伝えるぐらいの配慮をしないと、繊細な彼らの心は傷ついてしまいます。
彼らはとにかく、周りから浮いたり、目立つようなことをするのを嫌がるのです。悪い目立ち方でなくても、素晴らしい内容を発言する機会さえ避けたがります。出る杭になる状態はとにかく避けたい。
とくに新人研修中は、まだ同期との関係性を築いている最中です。ただでさえ不安とストレスを抱えている状態で、周囲から浮き上がらされると、メンタルが耐えられなくなってしまう場合もあるのです。
若者がハッキリと断るとき
いっぽうで、いまの若い世代が自分の意思を主張する場面もあります。たとえば、飲み会や合宿の幹事については明確に嫌がるのです。ある学生に幹事を任せたいと思って、私が水を向けても、たいてい「勘弁してください」「嫌です」とハッキリ言います。
私は、学生が自らゼミ合宿で箱根や軽井沢など旅館に宿泊するプログラムを作ったり、温泉やレクリエーション施設を探したりする経験が勉強になると思っています。
しかし、彼らの答えはだいたい同じです。
「もし私が幹事を任されても、参加者全員を満足させられる自信がない」と返してきます。それでも再度、「失敗してもいいから。キミたちの好きなようにやってごらん」と促しても、翻意して承諾してくれることはまずありません。
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