東大生があこがれる“伝説の先輩”の考え方

ハーバード、イェール、スタンフォード、若き経済学者のアメリカ

「日本にいたら味わえない」の意味とは?

かわいい学生たちと

――学生が教授をシビアに評価をする仕組みがアメリカにはありますものね。でも、生徒はかわいいものだと、小島さんもおっしゃってましたよね?

ええ、それはもちろん。目の中に入れても痛くない、むしろ目の中に入れたくなるような(笑)。

――小島さんも指導教官には恵まれてきました。ロス教授は、近年、マーケットデザインの分野での貢献が評価され、ノーベル経済学賞を取りましたね。

ロス先生の下で学べたことは、本当に大きかったと思います。当時、急速に伸びてきたマーケットデザインという分野に自分がかかわれたのも、彼のおかげです。

そういう意味では、日本にいたら味わえない経験を、たくさん積めたのかもしれません。

また、ロス先生に研究のベーシックアイデアを持っていくと、ごまかさずに、はっきり面白くないと言ってくれました。自身の研究に対しても厳しい人で、単なる理論で終わらせず、応用をしてさらに掘り下げていく。つねにスケールは大きく、そんな視座を持って研究に取り組んでいらっしゃいました。

アカデミックな成果が、実際の政策に結び付くとき

――アメリカでの研究者生活の中で、特に感動して心が震えたような瞬間は、どんなものでしょう?

僕の場合は、あくまで経済学、特にマーケットデザインという枠の中での話ですが、世界最先端のことが目の前で起こっていくのを、身をもって体感できた瞬間でしょう。

大学院の学生だった頃、当時の指導教官であるロス先生や、そのほかの共同研究者たちが中心になって、学術的成果に基づいてボストンやニューヨークなどの公立学校選択制度の改革が行われました。

アカデミックな成果が、実際の政策に有益な形で結び付くのを見たのは本当に刺激的でした。

こういった体験は海外だから、というわけでは必ずしもないかもしれません。しかし、ともかく、世界のどこかでエキサイティングなことが起こっていて、それが日本の外だった場合には、せっかくなのでそこにいってみる、というのはいい考えだと思います。

しつこいようですが、僕は「とにかく海外に行けばいいことがある」、というのは必ずしも正しくないと思っています。でも、往々にして、自分のやりたいことが海外にある可能性はありますので、「選択肢に入れておくようにする」、というのはオススメだな、と思います。

――すばらしいメッセージをありがとうございます。最後に、みんなは、小島さんが天才だと思っていますが、自分では先天的な才能があったと思いますか?

うーん、難しい質問ですね。僕は、勉強はまずまずできたと思います。しかし、大学や大学院時代に、地頭では到底かなわないなと思うような相手にたくさん出会いました。

たとえば、大学生時代に、数学の勉強会を有志でやっていたのですが、あるとき考えもつかないような解法を導き出したやつがいました。

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