戦国時代の甲冑が生んだ、超絶アート クワガタから竹の子まで、とにかくリアル

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大人のための、最高級クワガタ

高瀬好山 《クワガタ》 清水三年坂美術館蔵

幕末から明治に入ると、自在置物で名を馳せる人も出てきた。《クワガタ》の高瀬好山もそのひとりだ。

「ただ、好山は自分の手で作ったわけではなく、たくさんの職人を抱えて、何を作り、どう売り出すかを仕切る立場でした」

クワガタは銀製で、足の1本1本が関節のところで動き、上あごも羽も開くようになっている。子供のためというより、むしろ大人のためのおもちゃだろう。

「当館も高瀬好山による12種類の昆虫のセットを所蔵していますが、三井家の方によると、夏になると虫たちをお盆の上に乗せて飾り、眺めて楽しんでおられたそうです」

今回の展覧会では、蛇とクワガタのほか、鯉、ハチ、カブトムシなどが出品されている。いろいろに動かせるものなので、展示ポーズを決めるのが難しい。展示作業は本来、小林さんの担当だが、自在置物のコーナーは昆虫好きの部長に頼んだ。腹側が見えるようにハチを転ばせるなど、生きものたちのこだわりのポーズにも注目したい。

 

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