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このうちアラスカとノースカロライナは共和党が勝利する可能性が高そうだ。だが、ジョージア州は2議席(うち1議席は現職議員の引退に伴う予備選挙)に過半数の得票を得た候補がなく、州の規定により決戦投票に持ち込まれることになった。
このジョージア州の2議席共に民主党が勝利した場合、上院の議席数は50対50となる。上院の規定では法案の審議で賛成票と反対票が同数となった場合、議長を兼務するカマラ・ハリス次期副大統領の投じる1票に委ねられることになっていることから、事実上民主党が多数を占めることになるわけだ。
上院のマジョリティー(多数党)が民主、共和のどちらになるのかは、バイデン新政権がこの先政策を推し進めていくうえで非常に重要な意味を持ってくる。来年1月5日に予定されている決選投票は、ある意味、大統領選挙よりも注目されるべきイベントだ。
保守色が強いジョージア州で民主党候補の勝利はある?
元々ジョージア州は保守色が強く、大統領選でも1992年に当時のビル・クリントン候補が現職のパパブッシュであるジョージ・H・W・ブッシュ大統領を打ち負かして以降は、すべて共和党候補が勝利している。
そうした共和党の地盤で未確定ながらもバイデン候補の票がトランプ大統領を上回り、上院選でも共和党候補が過半数を取り切れないほどまでに追い上げたことは、今回のいちばんのサプライズと言ってもよい。
その立役者として一層の注目を集めているのが、ステイシー・エイブラムス元下院議員だ。エイブラムス議員は2018年の州知事に立候補、予備選挙を勝ち抜き黒人女性として初めて民主党の候補となった。
そして、多数の選挙人登録の拒否など、共和党が多数を取る州政府の嫌がらせをものともせず、本命とされる共和党の候補に肉薄、僅差で敗れ去ったのだ。このときに黒人などそれまで選挙にほとんど行ったことがなかったマイノリティーに対して、選挙人登録を勧める活動を地道に行い、マイノリティー票の掘り起こしに大きく貢献したとされている。彼女の貢献がなければ、今回の同州における民主党の躍進はなかったと、評価する声が一気に高まったわけだ。
肝心の決戦投票であるが、筆者は民主党が今の勢いを維持したまま2議席ともに勝利する可能性は、かなり高いと見ている。
今回の選挙では事前予想で圧倒的に不利とされていたトランプ大統領が予想外に健闘、下院選でも共和党が民主党から多くの議席を奪還、多数を取るには至らなかったものの、事前の想定以上に躍進した。
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