ネットで相手を魅了する「最初の1分」の使い方 リモートプレゼン上手はいったい何が違うのか

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オンラインプレゼンにはメリットが多々ある一方で、場を共有する対面よりも飽きやすいというデメリットもあります。ササるプレゼンにするためには、リアルよりも「飽きさせない」ということが大事であり、そのためには集中力が持続しやすい10分という時間は非常に有効なのです。そのうえで飽きさせないために意識すべきポイントは――

・コンテンツが興味深い、有益
・デリバリー(話し方・伝え方)が面白い
・話し手が非常に魅力的

ということが実現できればよいのですが、これは今日決心して今日すぐできるというものではなく、量稽古、つまり大量の勉強と練習が必要です。しかし、「短く話す」「規定時間内で終わる」というのは、工夫すればすぐできることです。

10分感覚は商談にも応用しやすい

1分トークでつかみ、10分プレゼンでクロージングする。プレゼン時間が長い場合も同様に、この10分感覚を踏まえて応用し、与えられた時間を有効に使って飽きさせない展開を心がけましょう。

『絶対失敗しない! ササるプレゼン ―成果を上げるプレゼンテーションのすべて― 【オンライン完全対応】Kindle版』(ごきげんビジネス出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

この10分感覚は、商談などにも応用しやすいものです。一般的な商談には1時間程度の時間が与えられることが多いと思います。とはいえ、対面時には会議室などに移動したり退出する時間が必要だったり、オンラインでも落ち着いて本題に入るまでの時間が多少は必要となるため、実際のプレゼン時間は思ったよりも短くなります。

そう考えると、基本的なプレゼンの核心部分は10分単位で構成し(複数事案の場合は×事案数)、あとは補足とQ&A、コミュニケーションの時間を多めに想定すると、与えられた時間内で必要十分なササる情報を提示できるというものです。

ちなみに拙著では、労災ゼロのための安全講習をテーマに、10分プレゼンの実例として使用スライドと台本を紹介しています。このケースでは14枚のスライドをアニメーションも用いて展開することを前提に、スライド毎に想定したトーク時間を記載し、時間軸を意識した練習材料となるようにしています。

長谷川 孝幸 風土刷新コンサルタント、「ほめ達!」特別認定講師

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はせがわ たかゆき / Takayuki Hasegawa

1971年生まれ。学習院大学経済学部卒業。消費財メーカー勤務、市場調査機関勤務を経て1999年より社員研修・公務員研修講師として活動し、延べ5万名以上に「仕事の進め方」を直接指導。自身の成功体験や失敗の蓄積をベースにしたコンテンツは「よくわかる」「すぐできる」「必ず役に立つ」と高評価。年間登壇回数は200回以上。主な著書に、『絶対失敗しない! ササるプレゼン ― 成果を上げるプレゼンテーションのすべて― 【オンライン完全対応】』(ごきげんビジネス出版)『仕事で損をしない人になるための48の行動改善』(同文舘出版)、『ミスなく仕事が10倍速くなる 5分間逆算仕事術』(三笠書房)がある。

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