ダイヤモンド社に集う「大リーガー編集者」 特別対談 ベストセラーを生むための編集と営業(下)
井上:僕はほんとに悔しかった。ほかの出版社に行かれるのなら、まだ、「ああ、女性誌が作りたかったんだ。しょうがないね」などと納得できますが、ほかの業界に行かれると、何だか出版業界が否定されるようで悔しいですよ。
和田:大学生の皆さんに、弊社に限らず、ぜひとも書籍編集を目指してほしいと思っています。編集者という仕事の本質はコンテンツメーカーです。たまたま今日の時点では紙の書籍を作っていますが、コンテンツメーカーという仕事は、20年後、30年後もなくなることはないと思っています。新しい情報サービスのコンテンツ作りのプロフェッショナルとして活躍できる、創造的かつダイナミックで奥深い仕事ですので、辞退どころか、もっともっと受けに来てほしいですね。
井上:営業としてはこれから、30万部を50万部に、50万部を60万部というように、すでに売れている本をどこまで引っ張れるかに挑戦したいですね。
たぶん『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史健著)にしても『ゼロ』(堀江貴文著)にしても、僕らが力を入れなければ、おそらく5万部、10万部で終わっていたはずです。
今、みんなで気をつけているのは、あきらめないで書店さんにプッシュし続けること。本当は既刊本をしつこく並べ続けるのは、営業も書店さんも飽きてしまう。でもそこであきらめないで、「今度はPOPを変えてやってみよう」とか、「この時期にあえて、またお試し版を書店さんに配ろう」とか、書店さんに動いてもらうための方法はいくらでもあると思っています。
佐々木:いやあ、今日は、なぜダイヤモンドからヒット作が継続して出るかがよくわかりました。やっぱりシステムができている。生態系ができたら、そう簡単には今の勢いは衰えませんね。どうもありがとうございました。
(構成:長山清子、撮影:風間仁一郎)
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