JX、「東電との提携はウィン₋ウィンで」

木村康・JXホールディングス会長に聞く

――電力事業について、JXは現在、電力会社向け卸売りや産業向け小売りを行っており、自社分で合計137.5万kWの発電能力を持っている。16年からの家庭向けを含めた全面自由化に向け、どういう戦略で臨むか。

今後も卸売りや産業向け小売りを拡大し、発電能力も2030年までに400万kWに増やしたい。20年には250万kW程度になるだろう。

発電所の建設には時間とカネがかかる。石炭火力やガス火力などの発電所を一から作るだけでなく、既存の製油所の残渣油(ピッチやコークス)を発電燃料として有効活用するものからスピーディに始めていく。それは製油所の高度化や競争力向上にもつながり、当社としていちばんの強みになる。

きむら・やすし●1948年2月熊本県生まれ。70年、慶應義塾大学経済学部卒、日本石油入社。2002年、新日本石油取締役。08年、同取締役常務執行 役員。10年、JXホールディングス取締役、JX日鉱日石エネルギー社長。12年、JXホールディングス会長、JX日鉱日石エネルギー会長。12年より石 油連盟会長も務める。

家庭向けの電力小売り参入については、16年の解禁時にスタートラインに立てるよう現在、ビジネスモデルを検討中だ。当社は全国に1万1000件以上に及ぶSS(ガソリンスタンドのネットワーク)を持っており、その有効活用も検討したい。ガソリン・軽油だけでなく電気でも顧客と接点を持ち、エネルギーに関する多様なニーズに応えることができないか、具体的な検討を進めたい。

あとはアライアンス(提携)だ。たとえば、消費者と直接につながっている他社のネットワークに乗せるというやり方がある。電力やガス、通信会社などが考えられる。

――東京電力が火力発電所の入札募集をまた6月から始めるが、対応は。

東電とは歴史的につながりが深く、特に火力発電所に対する石油燃料の供給では、当社が従来から大きなウエートで行ってきた。私もその担当をやったことがある。東電との間で行う低硫黄のC重油の値決め交渉は、全国の電力会社や他の需要家の価格交渉のベースとなっていた。そうした歴史からしても、入札を含めて当社としてできることや当社の持っている能力をどう生かせるかを検討していきたい。

東電との包括提携で東京湾岸のインフラ活用も

――東電が目指す上流から発電までの包括的アライアンスにも参加を望むか。

当社の能力をどこまで評価してもらえるかは東電次第。当社は上流(資源開発)も行っているほか、東京湾岸に発電所や製油所・桟橋などのインフラを擁している。石油需要が減る中で、そうしたインフラをどう生かすかは当社の課題であり、アライアンスでお互いがウィン・ウィンの関係になるのであれば検討していきたい。

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