"火中の栗"に常務を送り込む、東電の深謀

数土新体制が打った意味深な一手

4月1日付で会長に就任した数土氏(左)と廣瀬社長(撮影:梅谷秀司)

原子力専門の電力卸会社である日本原子力発電(原電)は、どこへ向かおうとしているのか――。

数土文夫・JFEホールディングス前社長を取締役会長に迎えた東京電力の新体制が、4月1日に発足した。その経営方針の中で関心を引いたのが、東電から原電に対する役員の派遣である。東電側の説明によると、原電の幹部として常務執行役(人選は未定)を派遣する意向だという。

原電の筆頭株主である東電は、福島第一原発の事故以前、関西電力と交互に元副社長を原電の社長として送り込んでいた。さらに、2012年度までは原電の常務取締役のポストも東電出身者の指定席だった。だが、その後は幹部を送り込む余裕がないとして、非常勤取締役(現在は廣瀬直己・東電社長)のみの派遣にとどめている。

人事の正式決定は6月の株主総会後となるが、原電側は「違和感はない」としており、東電出身の常務取締役復活(場合によっては取締役副社長の可能性もある)となりそうだ。

数土会長は「原電が保有する発電所をどうするか、最大株主として積極的に協力したい」とコメント。廣瀬社長も「原電は大変厳しい状況にあるが、筆頭株主としてしっかり関与していくことが東電の利益にもつながる」と語った。

福島事故対応で汲々としているはずの東電が、原電に役員を送り込んで何をやろうと企んでいるのか。

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