東京電力と東京ガス、一緒にやるのが最適

東京ガス・広瀬道明社長に聞く

「電力小売りの自由化をチャンスにする」と述べた東京ガスの広瀬道明社長
2016年をメドに予定される家庭向けを含めた電力小売りの参入全面自由化。都市ガスについても議論の進展いかんで、電力と同時の小売り全面自由化が見込まれる。地域独占、総括原価方式という電力・ガス業界の根本的枠組みが2年後にも崩れるため、新規参入を狙う企業など関連業界は対応に大わらわだ。
都市ガス業界最大手の東京ガスも電力小売り参入の戦略を練る専門部隊を立ち上げ、準備を加速している。同時に、競争力を高めるため、東京電力を含めた他社との連携強化を模索するなど、経営陣の構想力や交渉力が問われる局面となっている。
今後、どのような戦略で全面自由化市場へ対処していくのか、4月に社長に就任した広瀬道明氏に聞いた。

 

――電力、ガスの小売り全面自由化を基本的にどう受け止めているか。

戦後長年続いてきた電力・ガスの供給制度が根本から大きく変わる。激動の時代であるとともに、過去の経験則ではどう変わるかわからない未知の世界に突入する。こういう大変な時代の変わり目に社長に就任したというのは、本当に身の引き締まる思いだ。

世の中の大きな変化にうまく対応できれば大きなチャンスになる。逆に、変化に乗り遅れたり、対応を間違えたりするとピンチにもなる恐ろしい時代だ。ここは、ぜひともチャンスにしたい。事業的にもそうだが、東京ガスの体質や組織を変えていく必要があり、枠組みの変化に背中を押される形でいい方向へもっていきたい。

当社では東日本大震災後の2011年11月に、自由化を踏まえた長期経営戦略「チャレンジ2020ビジョン」を策定し、いちおう心構えはできていた。ただ、それから2年以上経った今、当初想定していた自由化のスピードよりも現実はかなり早まったと感じている。

電力システム改革では、昨年11月に第一段階(広域的運営推進機関の設立法案成立)が終わり、今まさに第二段階(電力小売りの参入全面自由化)の法案審議をしている。16年の自由化まであと2年というより、もう2年しかないという感じだ。準備期間を考えると実質あと1年しかない。

16年の自由化を機に電力小売りに参入へ

――具体的にどう対応していくのか。

われわれの電力事業はこれまで発電と卸売りに限られていた。だが、16年の全面自由化のタイミングをとらえて、電力小売りに参入する。

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