「元恋人のSNS」気にする人ほど成長できない訳 女性ほどSNS利用で「うつになりやすい」結果も

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最後に、興味深い科学的エビデンスを付記しておきましょう。オハイオ州立大学のフォックスとハワイ大学のトクナガの研究によれば、「過去の恋人のSNSをチェックする人は、人として成長できない」という傾向があるようです。

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過去1年以内に失恋をし、自分も元恋人もフェイスブックに登録している大学生431人を対象に、「相手との親密度」「代わりの異性を求めているか」「元恋人の情報を見る頻度」などの質問をしたところ、元恋人の近況や交友関係を見ている大学生ほど、恨みや未練の気持ちが捨てきれず、新しい友人や趣味をつくっていないことがわかりました。

つまり、人間的成長が一時的にストップしてしまうことがわかったのです。だらだらと見続けてしまったり、過去にとらわれたりすると、SNSはかえって心に不健康をもたらすだけ――。なんとも恐ろしい研究結果です。

過度なSNS利用は「嫉妬心」を生む

ミズーリ大学コロンビア校でも、「フェイスブックの利用が、知人の経済的成功や友人の幸せそうな姿といった、ユーザーの嫉妬心の元となる情報を知るキッカケになっているなら、同サイトの利用は心が落ち込む原因となる」と報告しているほど。

必要以上に情報を知ることは、かえってアンハッピーになってしまう……SNSは嫉妬製造装置という側面もあることを忘れないように。便利になることは素晴らしいことですが、“知らぬが仏”という言葉があるように、深入りせず、適度に距離をとりながら利用するようにすることが、正しいSNSの使い方といえそうです。

堀田 秀吾 明治大学教授

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ほった しゅうご / Syugo Hotta

言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を融合した研究を展開。熱血指導と画期的な授業スタイルが支持され、「明治一受けたい授業」にも選出される。研究の一方で「学びとエンターテインメントの融合」をライフワークとし、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書等を多数執筆、テレビ番組にも出演する等、多岐にわたる活動を展開している。

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