ヤマ発「柱の2輪事業」、ホンダとの埋まらない差 赤字が続く先進国で「構造改革」に踏み切る

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静岡県磐田市にある本社工場でのバイクの生産の様子。今後、国内でも生産人員を配置転換し、生産能力を引き下げる(写真:ヤマハ発動機)

ヤマハ発動機が2輪事業の構造改革に踏み切る。イタリアのバイク用エンジン製造子会社モトーリ・ミナレリ(以下MM社)を、現地の2輪メーカー、ファンティックモーターに譲渡する。譲渡手続きは年内に終える見通しだ。

MM社はヤマ発が欧州で販売するバイクや、他のメーカー向けに50~400ccの中小型エンジンを年間で約8万基生産している。譲渡先のファンティックモーターは納入先の1社で、譲渡後もMM社からヤマ発へのエンジン供給は続くという。

ヤマ発の2019年の2輪販売実績は505万台。台数ではホンダ(1959万台)、インドのヒーロー・モトコープ(685万台)に続いて世界3位だ。欧米などの先進国では「YZF-R」や「MT」シリーズなどのスポーツバイク、新興国ではスクータータイプのバイクを中心に販売している。

先進国は12年連続で赤字

ただし、世界3位とは言っても、台数のみらならず、収益力の面でもホンダとの差は大きい。2019年度の実績をみると、ホンダは2輪事業だけで2856億円もの営業利益を稼ぎ出した。圧倒的な規模に加え、現地での開発・生産、部品の共有化などでの効率が進んでおり、その売上高営業利益率は13.9%に及ぶ。これに対し、ヤマ発の同年度の2輪事業の営業利益は379億円。事業売上高(9788億円)に対する営業利益率は3.8%にすぎない。

業績の足を引っ張っているのが先進国だ。ヤマ発の2輪事業は売上高の8割弱を東南アジアなどの新興国が占める。一方、先進国の2輪は2割強に過ぎず、損益面でも2019年度は142億円の赤字だった。2輪事業全体では新興国の儲けで黒字を維持しているが、先進国だけでみればリーマンショックでの赤字転落から抜け出せず、昨年度まで12年連続で赤字が続いている。

先進国におけるバイクは趣味向けの中大型スポーツバイクが中心。こうした走りを楽しむためのバイクは魅力を高めるために高性能なエンジンが必要になるなど装備品にもコストがかかり、高い利益率を維持するのが難しい。また、先進技術の開発費も上乗せされるため、先進国で利益を稼ぐのは容易ではない。先進国の2綸市場自体が成熟し、以前ほど台数が売れなくなった現状ではなおさらだ。

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