夫の定年時「5つ以上年下の妻」は注意が必要だ 「専業主婦の妻」は何歳まで夫の扶養に入れる?
勤務している夫が70歳を迎えた場合、厚生年金被保険者となるのは最大70歳になるまでですので、それまでの在職期間中は、厚生年金保険料が給与、賞与より控除されます。そして、夫は70歳以降、退職している場合はもちろん、在職していても、厚生年金保険料は負担しなくなります。また、夫の70歳当時、専業主婦の妻が60歳未満であれば、先述のとおり、60歳まで国民年金保険料の納付義務がありますが、60歳以上であれば、国民年金に加入義務がありませんので、それ以降、夫婦ともに年金の保険料負担義務はなくなります。
一方、健康保険に関しては、70歳以降の会社員等の在職期間も被保険者にはなりますので、その配偶者は要件を満たせば扶養に入ることができます。夫が退職していれば、先述の任意継続被保険者になる場合などを除き、夫婦ともに国民健康保険に切り替えるところ、夫の在職中は、被扶養者となる妻の保険料負担をなしにできます。
「75歳以上の夫」に扶養される妻は存在しない
夫婦ともに年金の被保険者でなくなって5年経過した75歳。75歳以降も会社に勤める人は、今はほとんどいないかもしれませんが、今後増えるかもしれません。
夫が75歳を迎えると、夫が在職しているかどうかにかかわらず、夫は後期高齢者医療制度という独自の医療保険制度の被保険者になります。健康保険、国民健康保険の被保険者にはなりません。そして、後期高齢者医療制度としての保険料を負担することになります。75歳の夫が健康保険の被保険者になれないとなると、その75歳未満の妻も健康保険の扶養に入ることができませんので、国民健康保険に切り替わることになります。そして、その後、妻も75歳になると、夫と同じように後期高齢者医療制度の被保険者となります。
また、75歳以降健康保険の扶養に入ることもできなくなりますので、妻が夫より先に75歳を迎えた場合、75歳未満の夫が健康保険の被保険者であっても、妻はその被扶養者ではなく、後期高齢者医療制度の被保険者となります。
以上のように、妻が扶養に入る場合、夫の勤務期間、夫婦の歳の差などによって、扶養に入れる期間が決まります。年金と健康保険、それぞれどのくらいの期間被扶養者になれるか、できれば夫か妻いずれかが先に60歳を迎える前に確認しておきたいところです。
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