米大統領選を気にせずに勝てる投資作戦がある 「トランプかバイデンか」にあまりこだわるな

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国内では10月下旬から3月期決算企業の第2四半期累計(4~9月)決算発表が本格化してくる。第1四半期(4~6月)の決算発表時点では東証1部上場企業の3割程度が通期の業績見通しを公表できなかった。

だが、この第2四半期決算ではほとんどの企業の通期見通しが出そろうだろう。コロナ禍で受けたダメージや、今後の影響などについて相当な情報が提供されることになる。投資家からすると来期以降の力強い業績回復が見込める企業を選別する絶好のチャンスになる。

中国景気回復の恩恵が大きい建機や工作機械、DX(デジタル変革)や5Gによる需要拡大が本格化してきそうな半導体関連や電子部品、巣ごもり消費が追い風になりそうな小売りの勝ち組企業などには、来期の業績回復を織り込みながら株価がコロナ前の水準を超えて上昇するものが目立ってくるだろう。

もちろん、来期以降も事業環境に厳しさを引きずりそうな企業は、株価が再び下値模索を余儀なくされることになり、選別色が強まる。それでも日経平均は2万4000円台回復から徐々に下値を切り上げていくような展開が期待できそうだ。

一方、頼もしい動きが期待できそうなのがマザーズ市場を中心とする小型の成長企業だ。東証マザーズ指数はおよそ14年ぶりの高値圏にある。市場をリードしているのは新たなビジネスを展開する企業だが、なかにはテレワークや巣ごもり関連など、新型コロナウイルスの感染拡大が新たな製品やサービスの普及に向けて追い風になっているケースが多い。

さらに9月には菅新政権が誕生し、デジタル化の推進や規制緩和などを重点政策として進めていることも、これら企業の成長を後押しする。そもそも、マザーズ市場を始めとする小型グロース株は内需型の企業が多く、3年先、5年先の成長を期待して人気化しているので、アメリカの大統領選挙など海外要因、当面の景気動向などはあまり気にしなくて済む。

小型グロース株は、目先の景気動向や海外要因に左右されにくい、いわば“究極のディフェンシブストック”とも言えるのではないだろうか。

身近で親しみやすいテーマ性を持った成長株に注目

例えば、電子契約サービスを展開する弁護士ドットコム(6027)。「ハンコよ、さらば……」というCMを流していたが、菅新内閣では省庁の「脱ハンコ」が進められることになり、同サービスの拡大に弾みがつきそうだ。また、メドレー(4480)のオンライン診療システムにも注目したい。

同社の主力事業は医療ヘルスケア領域の人材紹介だが、オンライン診療システムでは国内トップクラスでもある。日本ではオンライン診療の導入に規制のハードルが高く普及が遅れていたが、新型コロナで一気に注目を集め、政府もオンライン診療を推進する方向だ。

そして、BASE(4477)はネット通販のプラットフォームを展開する。ITが苦手な人でもネットショップを始めることができる簡単さが売り物で、コロナで対面販売が難しくなり、ネット販売に活路を求める中小小売り業向けなどでサービス導入が拡大している。クラウド型名刺管理サービスのSansan(4443)、業務効率化システムをクラウドで提供するラクス(3923)、応援購入という新たなクラウドファンディングを展開するマクアケ(4479)なども個性あふれる成長企業と言える。

今は社名の認知度が低い企業も多いが、いずれ誰もが知っているような会社になる可能性を秘めた企業が並ぶマザーズ市場。今年は「大波乱の年」と言えそうだが、こんなときにこそ夢あふれる投資を考えてみたい。

有沢 正一 岩井コスモ証券 投資調査部長

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ありさわ しょういち / Shoichi Arisawa

1981年大阪府立大学経済学部卒業。1989年岩井証券入社、株式部、調査部などの勤務を経て、2003年イワイ・リサーチセンターセンター長。2017年5月より現職。日本証券アナリスト協会検定会員。株式投資の対象として有望な企業を発掘するため、関西を中心に企業の調査・分析に取り組むかたわら、個人投資家向けに月10回ペースで株式セミナーの講師を務める。

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