トヨタの成果主義拡大「6.5万人評価」の試練

新賃金制度では定昇がゼロになるケースも

では具体的に従来の評価体系と何が変わるのか。総合職にあたる「事技職」では、職能個人給の評価はA~Dまで4段階で評価を行ってきた(個別ケースとしてE評価もごくまれにある)。

 

新制度では、このD評価の扱いが変わる。係長にあたる主任職ではDを「D1」と「D2」に分ける。D1の昇給額はCの半分以下を想定し、従来のDよりも昇給が低下する。D2になると「期待を下回り、フィードバックしても改善が見られない」という評価で昇給ゼロとなる。

優秀者はより早く昇格

D1、D2で全体の10%。そのため、D2と評価された人がいなくても、昇給が従来よりも大幅に下がるD1の人は必ず出てくる。職責が重いゆえに、期待を下回るパフォーマンスだと厳しい評価が下る仕組みに変わった。

主任職以外では区分けがなくDが昇給ゼロになる。こちらはCとDで全体の60%としている点が主任職との違いだ。60%すべてをC評価にすれば、昇給ゼロのDは出てこない。これは入社してから主任職になるまでを育成期間と位置づけ、社員のモチベーション維持を図る意味合いもあるようだ。

新制度でも人件費の中で昇給の総原資は同じだが、Dへの配分が減る分をA(期待を大きく上回る)とB(期待を一部上回る)へ重点的に配分する。そして、優秀者は従来よりも早く昇格できるようにする。

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