清掃員も困惑「得体の知れぬヤバいゴミ」の正体 散乱する包丁や注射器、謎の液体入り紙パック
掴むだけで微粒子が舞い上がり、感覚的には粉が毛穴に暴力的に侵入してくるよう。数十秒後には、2メートルも離れていないもう1人の清掃員が見えなくなり、忍者が姿をくらます時に使う秘密道具を食らったのかと思った。
相棒:ゲッホ、ゲッホっっ……これボヤ騒ぎっすねっホッホッー。
滝沢:ホッホッー、ブファー………なんでわかったのっ?
相棒:これ……ゲッホー、そうでしょっ?
ピンクの煙の中にいるのならば、エロい気持ちになりたいのに、炭素化したゴミを見ている。恐らく煙草のポイ捨て。
一箇所を中心に黒い輪が広がっていた。ゴミ捨て場ならいいやと、軽い気持ちで消していない煙草を投げ入れたのだろう。そのせいで僕は、エロい気持ちにならないピンクの煙の中でむせ返って、ゴミを運んでいる。回転板のボタンを押せばピンクの煙は色濃くなり、忍者は1人ではなく2、3人いるのではないかと錯覚する。色濃くなったところでもちろん、エロい気持ちになんかなれない。いや、別にエロい気持ちになりたい訳ではねぇわ!と口に出したくなったところでふと思った。
「オーライじゃねえわ!」
消火器の中身は吸っても大丈夫なのだろうか? 吸い込む可能性のあるものだから、有害物質が入っていれば、もっと注意喚起しているはずだ。だから大丈夫なのだろう。でも2メートル先の相棒の顔も見えないピンクの煙の中にいると人問、疑いたくもなる。
ゲッホゲッホ! これは体が本能的に嫌がっている拒絶反応ではないのか? マスクはしているが、酸っぱい口になっているような気がする。消化器の中身って酸っぱいのね。
相棒:オーライ!
「オーライじゃねえわ!」と相棒に言いたかったが、口を聞く訳にはいかない。相棒の顔を見れば、片栗粉をまぶした揚げる前の唐揚げのようになっている。ということは僕もだ。袖口で顔を拭こうと思ったが、制服もピンクに染まっていた。
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