清掃員も困惑「得体の知れぬヤバいゴミ」の正体 散乱する包丁や注射器、謎の液体入り紙パック

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話を聞けば、どうやら牛乳パックに小の方を詰めて、ガムテープでグルグル巻きにして出すことが生活スタイルだという。

生活スタイル!? 何その生活スタイル? 人に迷惑をかけることを生活スタイルと呼んではいけない。学校で教わっていないが、そんなことくらいは教わらなくてもわかる。絶対にダメだ。常識は覆った。いや、覆ってねえわ。ダメなものはダメだわ。

同僚は知らずに回収していた頃、清掃車の回転板に挟まれた牛乳パックが破裂し、中身が飛び散って、飲んでしまったという。

警察官と野次馬に囲まれたゴミ集積所

テロ現場に近いこともあった。消火器の中身がバラまかれていたのだ。なんで!? からの四苦八苦。

「おー、あそこ、午後の俺らの現場だぞ」

運転手の指さす先の集積所には、人だかりができていた。警察官数人と野次馬が集まっており、物々しい雰囲気が漂っている。絶対に只事じゃない。だが、四回苦しんで、八回苦しむことが訪れるとは、まだその時は気づいていない。目の前の仕事で手一杯だ。野次馬の件は後回しだ、と思っていたら、午後がやってきた。

現場に到着すると、辺り一面が真っピンクに染まっていた。置かれている全てのゴミと歩道が、そこだけ雪が降り積もったかのように粉まみれになっている。白とピンクの間の淡いピンクだった。ゴミに花が咲いているようだ。

「あ、これ消火器ですねー」

……ピンク!? 消火器の中身ってピンクなの? へー、大人になっても知らないことがあるもんだと思いながらゴミを回収すると、1分前にゴミに花が咲いているようだとのんきに考えた自分を呪った。

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