元国防相逮捕!メキシコ麻薬組織のヤバい実態 「まるでゴッドファーザーの世界」と話題

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ロペス・オブラドール大統領がシエンフエゴス氏の逮捕を望まないのであれば、事前にアメリカを訪問しないようにと忠言していたはず。しかし、それをやっていない。同大統領は大統領選のときからカルテルとの不正を取り締まることを公約していることもあって、シエンフエゴス氏の逮捕はむしろ「見せしめ」になると踏んだのかもしれない。何しろ、メキシコには、同氏を逮捕できるだけの力はない。逮捕できたとしても、有罪にできるだけの力もない。

また、逮捕すればアメリカがいろいろな圧力をかけて、同氏の身柄をアメリカへ送還するように要求してくるのは明白である。目下、アメリカには2500万人を超える麻薬中毒患者がいるとされており、その麻薬の9割はメキシコからの密輸入とされている。こうした中、アメリカはメキシコの麻薬生産および密売の撲滅に必死になっているからだ。

今やカルテルの数は52に

ロペス・オブラドール大統領が過去の大統領と比較して不正への取り締まりに熱心なのは、同大統領がこれまで80年近く政権を担ってきた制度的革命党にも国民行動党にも属していない、政党公民再生運動を創設しており、これまでの2政党とは独立して行動ができるからでもある。

その一環として、ロペス・オブラドール大統領は軍隊と警察を合わせたような防衛隊を創設し、カルテルの取り締まりをさせようとしている。これによって、警察と軍部にこれまではびこっていたカルテルとの癒着を解消させようとする狙いもあるようだ。防衛隊の隊員の人選にはカルテルなどとの癒着がないか注意を払ったとされている。

2007年のフェリペ・カルデロン大統領の時代には、カルテルで強力な組織をもっていたのはティフアナ、シナロア、フアレス、ゴルフォの4つしかなかった。それが2012年頃にはこの4つのカルテルに加えてロス・セタス、ミチョアカン、ベルトゥラン・レイバの3つ加わって、7つの強力なカルテルが存在するようになった。

そして今、52のカルテルに加え、小規模な暴力組織がそれぞれカルテルの下請けのような形で活動している。とくに、シナロアと、そこから分派して成長したハリスコ・ヌエバ・ヘネラシオンがメキシコカルテルの両雄のような形でアメリカ市場を2分して勢力を争っている。このように多くのカルテルがある中、しばらく世界を驚かせるようなニュースが続くかもしれない。

白石 和幸 貿易コンサルタント

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しらいし かずゆき / Kazuyuki Shiraishi

1951年生まれ、広島市出身。スペイン・バレンシア在住40年。商社設立を経て貿易コンサルタントに転身。国際政治外交研究も手掛ける。著書に『1万km離れて観た日本』(文芸社)。

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