在宅勤務でも「人間関係が良好な人」の行動原理 「オンライン上の監視」は百害あって一利なし

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2つ目は「組織的なサポートをすることで成果を上げられないか」という視点です。例えば営業職の場合は個人プレーになることが多く、孤独になりやすいことがあります。上司が誤解してはいけない点として「目に見えないとついサボっているんじゃないか? ちゃんとできていないのではないか?」と性悪説で部下を見てしまいがちなことです。

それよりも、個人で動いている部下は孤独を感じやすく、寂しい可能性があるというところに気づいてあげる必要があります。社内での対面コミュニケーションの場合は、小さなことでも共有しやすく、次にどういったアプローチをすればよいかなどを、カジュアルに話せてきたのではないでしょうか。

しかし、テレワークはそれができません。そのため、知識の共有やスキルアップのためのアドバイスなどを意識的に共有することが必要です。

これらの2つの視点で部下の状況を把握するにあたり、多くの場合、部下の行動を逐一聞くようなマイクロマネジメントは不要なのではないでしょうか。

部下に報告してもらうべき3項目

では、この2つの視点を補うにはどのような態勢にするとよいのでしょうか。ポイントは、部下から以下の3項目を報告してもらうことです。

1)報告対象期間の成果(定量と定性情報の両方)
2)成果に至るまでの行動とその目的
3)行動後の所感(課題)

1つ目は、「報告対象期間の成果を定量と定性の両方の観点」で報告してもらうことです。

”定量的な情報”とは、営業職の場合は「アポや受注件数」、開発職の場合は「バグ修正数や新規機能の実装数」などの数字として見える成果であり、これを報告内容として入れることが多いかと思います。

一方で、”定性的な情報”も有効です。例えば営業職の場合は「このようなトークで商談に臨んだら顧客からこのような返しがきた」、開発職では「こういったコーディングをしたらバグが修正できた」などの経緯を示す情報です。

結果としての定量情報だけでなく、過程がわかるような定性的な報告もセットにすることで、その結果に至った因果関係がイメージできるようになるのです。

2つ目は、「成果に至るまでの行動とその目的」を伝えてもらうことです。

部下がどういった目的で行動に移しているのかを知ることで、期待する動きをしているかを知ることができます。そのため成果だけでなく、その成果に至るまでの行動やどうしてその行動をとったのか?の行動の目的を伝えてもらうことが重要です。

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