(第29回)「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第十六話『面接十戒』

●人事部の本音

 “型通りのコメント”も“勝手な自己主張”も、うんざり……。
 ともあれ、ひとりひとりの問題点を、各人事部のプロの忠告・苦言を取り入れて指摘してみよう。

 まず、S・Y君だ
 このタイプの学生は、まず、お呼びがかからない。なぜなら、そのワンパターンが嫌われるからだ。採用担当者は学生以上に「面接問題集」を読みこなしている。型通りのコメントをS・Y君が発すれば、担当者は「どこかで聞いたフレーズだなぁ」と咄嗟(とっさ)に思うことだろう。フィクションの世界にお付き合いするほど、相手は暇ではない。キミの「個性」とは何なのかを考えるべき。

 次にT・K君
 自己主張するのはかまわないが、それが独断になっては身もフタもない。面接のポイントは、相手(面接官)とキミの会話が成立するかどうかにある。一方的に自説をまくしたてても意味はない。“話し上手は聞き上手”というではないか。相手の話にうなずきながら聞くぐらいでちょうどいい。
 また、“しゃべりのうまい”人間が有利などと、戯言(ざれごと)を言っているようだが、それは間違い。面接官が聞きもしないことをべらべら話したって、誰も聞いてやしない。
 採用担当者を甘く見ないほうがいい。彼らは15分以内に人を見抜くプロフェッショナル。キミを見破るなど、赤子の手をひねるようなものだ。

 R・G君にひとこと
 たしかに、“目立とう精神”ほど見苦しいものはない。第一、カラ元気など出しても、面接官がシラけるだけ。ただし、キミが言うところの“目立とう精神”と“売り込み”は違うぞ。こちらから熱意を伝え、キミ自身がその企業にとってどれだけ必要な人物かを売りこんでこそ、本来の面接となる。
 考えてもみたまえ。1日に何十人、あるいは何百人もの学生に会っている面接官の心を揺るがすには、ありきたりの答えでいいわけがない。キミのまわりはライバルだらけといっても過言ではない。

 U・Y君へ。
 マニュアルの必要性を認めないわけではない。キミが不安を取り除くには、マニュアルなどで面接試験の実態を知るしかないからだ。しかも、面接には最低限のルールがある。事前に下調べしておくことには何の不都合もない。
 しかし、使い方を誤ると一転“薬から毒”になるのがマニュアルというやつ。キミの先輩のなかにも処方を誤って、就職活動に失敗した人が多い。なぜ、そうなってしまうのか。
 それは、マニュアルに対する接し方だ。「金科玉条(きんかぎょくじょう)」のごと崇(あが)めたてまつり、中身をすべて暗記するなどという行為は、明らかに行き過ぎ。あくまでもサブ的な機能として使えば問題ない。
 メインは、キミ自身が経験したり考えたりしたことを、どのように相手に伝えるかという点にある。まず、“自分自身”が出発点となる。
 マニュアルを参考書にするならいいけれど、教科書にしてはいけない、ということだ。ここのところを取り間違えないでほしい。

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