中国のデジタル経済は急速に発展しているが、各産業のデジタル化の浸透率は世界平均を依然下回っている――。10月14日、中国工業情報化省直属の研究機関である中国情報通信研究院が発表した報告書から、そんな現状が明らかになった。
「世界のデジタル経済の新景観」と題したこの報告書は、2017年から世界各国のデジタル経済の発展状況を調査・集計して毎年公表している。今回の最新版では先進国20カ国、発展途上国27カ国の合計47カ国を調査対象に選定した。
報告書によれば、2019年の世界のデジタル経済の平均名目成長率は5.4%と、世界のGDP(国内総生産)の名目成長率を3.1ポイント上回った。国別のデジタル経済の規模はアメリカが13兆1000億ドル(約1381兆円)で世界最大。2位の中国は5兆2000億ドル(約548兆円)、3位のドイツと4位の日本はともに2兆ドル(約211兆円)を超えた。
中国ではサービス業のデジタル化が先行
先進国と発展途上国の間には、デジタル経済の規模に大きな落差がある。報告書によれば、2019年の先進国20カ国の合計が23兆5000億ドル(約2478兆円)だったのに対し、発展途上国27カ国の合計は約3分の1の8兆3000億ドル(約875兆円)だった。ただし、デジタル経済の前年比の成長率では発展途上国は平均7.9%と、先進国の同4.5%より速いスピードで発展している。
産業分野別に見たデジタル化の浸透率は、2019年の世界平均はサービス業が39.4%、工業が23.5%、農業が7.5%だった。これに対し、中国の浸透率はサービス業が36.8%、工業が19.5%、農業が8.2%であり、農業を除いて依然世界平均を下回っていることが明らかになった。
中国情報通信研究院の院長を務める劉多氏によれば、世界各国はデジタル化の進展状況によって主に3つのグループに分けられるという。第1のグループは、産業別のデジタル化のバランスが取れているドイツやイギリス。第2のグループは、工業のデジタル化が先行している韓国やアイルランド。そして第3のグループは、サービス業のデジタル化が先行しているアメリカや中国などだ。
(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は10月14日
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