ユーロの信認を揺さぶるギリシャ危機の行方



 一部ではギリシャのユーロ離脱の可能性も指摘されるが、これも非現実的だ。「ギリシャが旧通貨のドラクマに戻せば価値は急落し、ユーロ建て中心の債務負担は一段と深刻化する。ユーロの信認にも傷がつき、市場では『次はどこだ』との思惑が増幅しかねない」(伊藤さゆり・ニッセイ基礎研究所主任研究員)。

厳しさ増すポルトガル スペイン、英国に波及も

実際、“火薬庫”はギリシャだけではない。すでに、双子の赤字に苦しむポルトガルやイタリア、スペインなどの国債が売られ、ドイツ国債とのスプレッド(利回り格差)が拡大。特に厳しいのがポルトガルで、「00年代に入って景気がずっと低迷したままで税収が増えない。ユーロ域内貿易が多く、通貨固定で競争力が低下した」(中村氏)。もともと農業国で産業基盤が弱く、金利上昇からデフレ圧力も高まっている。

今後、ユーロの信認に対する影響を占う焦点とされるのが、EU主要国の一角であるスペインへの波及だ。

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