10月相場は「Octoberサプライズ」になるのか 「強気継続」だが、やっぱり気になることがある

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今のところ、大統領の症状は重篤ではなく、ウォルター・リード陸軍病院に入院し、院内の執務室から職務を遂行する予定とのことだ。また共和党のマイク・ペンス副大統領と民主党のカマラ・ハリス上院議員による副大統領候補討論会は、両氏とも新型コロナウイルス感染症検査で陰性となっているため、予定通り10月7日に行われると複数の通信社が伝えている。

こちらも事なきを得そうだが、大統領は高齢のため、いつ症状が変化するとも限らず、周辺には重篤化を心配する支持者達が集まり始めたとの報道もあり、まだ予断を許さない。

不安の中で始まった10月相場だが、すでにひと月前のNY株の9月相場は、1984年以来36年ぶりの月間上昇率となった8月の反動安で、大きな調整安相場だった。特に前述のナスダック総合指数の下げは大きかった。

実は10~12月で見れば、日米の相場は強い

一方、日経平均の9月の月足は、初日の2万3138円に対し9月末は2万3185円と、わずかながら陽線となり「アメリカよりも強かった9月相場」となった。世界に比べ新型コロナウイルス感染の被害が少ないこと、波乱なく政権交代が出来たことが主な原因だが、日本株の出遅れ感が認識されたことも大きな理由ではないか。

元々9月はアメリカ株にとっては鬼門の月で、過去50年間の月間騰落でマイナスなのはこの9月だけとなっている。しかし、一方で10月から12月までの所謂「年末商戦相場」の上昇確率は極めて高い。

これは日本でも同じ傾向だ。日本では10月4日が投資の日だった。「投資の日」は、投資活動の知識を啓蒙することを目的に、語呂合わせで1996年に設定された。よくある業界の記念日だが、アベノミクス登場の2013年から7年間で、投資の日(前後)と年末大納会の株価水準を比較すると、6勝1敗で大納会の勝ちとなる。

つまり10月初めに買って大納会に売ると、6勝1敗の成績で利益が出たことになる。利益が出なかったのは2018年(厳しい下げだったが)だけで、2016年や2019年などは大きく値上がりした。

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