10月開業「東京BRT」はどこまで高速輸送なのか 専用道なく渋滞懸念、本格運行まで普通のバス

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プレ運行で導入するバスは計9台で、ハイブリッド車の連節バスが1台、水素エネルギーで走る燃料電池バスが5台、一般のディーゼルバスが3台。BRTのシンボルとなる連節バスの定員は113人で、ほかの車両と比べて約1.5倍の輸送力がある。車両はレインボーカラーのラインが入った統一デザインだ。

「自動正着制御」用の誘導線(左)と、誘導線を検知するための車載カメラ(記者撮影)

注目される点の1つは、バス停に車両をぴったり横付けし、車いすなどの乗降をスムーズにする「自動正着制御」の導入だ。晴海BRTターミナルの路面には緑色の2本の点線が描かれており、これをバスのフロントガラス内に搭載したカメラが検知して自動で操舵。乗り場との隙間が5cm程度になるように制御し、自動で減速・停止する。ドライバーの習熟度に左右されず、隙間を狭めて停車できるのがメリットだ。

今回のプレ運行では、実証実験として晴海BRTターミナルのみ導入。対応する車両は燃料電池バス1台だ。

晴海のターミナルで実証実験を行うのは、敷地が都有地で規制がないためという。都市整備局交通企画課の池田中課長は「公道上に導入する場合は横断歩道やマンホールなどがあり、道路管理者との調整も必要になる。天候などの条件や誘導用の点線のメンテナンス状況など、どの程度ならしっかり検知できるのかといった点を含めて検証していく」と話す。

22年度以降「本格運行」へ

10月のプレ運行開始時は1路線のみだが、今後運行ルートは段階的に拡大していく。

晴海BRTターミナルの乗り場に立つ標識(記者撮影)

2021年夏に予定される五輪・パラリンピックの終了後は、虎ノ門ヒルズ―東京テレポート間を主要幹線として3系統を運行する「プレ運行(2次)ルート」に移行。その後、2022年度に予定される環状2号線本線トンネルの完成後に「本格運行」へ切り替える。

本格運行では、五輪選手村跡地に整備されるマンションと新橋を結ぶ路線など計4ルートを運行し、便数も増える。新橋―勝どき間の平日ピーク時1時間当たりの片道運行本数は20便程度となり、輸送力はプレ運行時の1時間当たり片道450人程度から2000人程度に向上する予定。さらに銀座や東京駅方面への路線延伸構想もあるが、「具体的なルートについてはこれから」(都市整備局・池田課長)だ。

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