10月開業「東京BRT」はどこまで高速輸送なのか 専用道なく渋滞懸念、本格運行まで普通のバス

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東京BRTの車両。右から連節バス、燃料電池車、一般のディーゼルバス。プレ運行1次では連節バス1台、燃料電池車5台、ディーゼルバス3台を導入する(記者撮影)

新型コロナウイルスの影響で開業が延期となっていた、東京の臨海部と都心部を結ぶ新たな交通機関「東京BRT」。当初予定の5月下旬から約4カ月遅れ、10月1日に運行を開始する。

東京BRTは、急速に開発が進む一方で鉄道路線へのアクセスが不便な晴海や勝どきなどの臨海部と、都心側の新橋・虎ノ門を結ぶ交通機関として東京都が計画した「バス高速輸送システム」。従来の路線バスより途中の停留所の数を絞るなど速達性を高めているほか、2車体をつないだ大型の「連節バス」を導入し、新交通システムや近代的な路面電車(LRT)並みの速さと輸送力を目指す。

臨海部の新たな足として期待されるBRT。一方で、同地域にはより定時性や輸送力の高い地下鉄を整備する構想もある。

晴海―虎ノ門間を30分で結ぶ

今回運行を始めるのは、晴海に新設したBRTターミナルと虎ノ門ヒルズを結ぶ約5kmの1路線。主な走行ルートである都道環状2号線の本線トンネルが開通する2022年度以降に予定する「本格運行」に備えた「プレ運行」の1次ルートとの位置づけだ。当面の運行は京成バスが担当し、本格運行時は同社が設立した新会社「東京BRT」が担う。

9月24日、東京BRTの連節バスに試乗する小池百合子東京都知事(記者撮影)

晴海BRTターミナル―虎ノ門ヒルズ間の途中停留所は勝どきと新橋の2カ所だけで、全線の所要時間は約30分。晴海―新橋間の区間便も含め、6時台から22時台まで平日は上下各75本、土休日は63本を運行する。運賃は全線均一で大人220円・小児110円。本格運行の際には乗降をスムーズにするため、すべてのドアから乗り降り可能になる予定だが、プレ運行は都心部の一般のバスと同じ前乗り・後降りとなる。

運行開始に先立つ9月24日には、小池百合子東京都知事が晴海から虎ノ門まで連節バスに試乗。「新たな都民の足として、また東京に来た方にも利用いただけるような新しい交通として定着することを期待している」と述べた。

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