最高裁判事の定員は9人だ。以下の通り、だいたい1人の大統領が2期8年の任期を務めると、2回くらい指名の機会が訪れる。これまで「保守5対リベラル4」だったのだが、リベラル派のRBG判事死去によりバランスは「5対3」に傾いた。トランプさんはここへあと1人、保守派の女性判事を加えようとしていて、その人選は9月26日にも公表するという。保守派が6人目の判事を得るとなると、その影響は計り知れない。
それにしても、4年の任期で3人目の最高裁判事指名の機会が巡ってくるとは、トランプさんもつくづく悪運が強い。しかも選挙直前という絶好のタイミングである。
アメリカにおけるコロナの死者数は、今週でとうとう20万人を越えてしまった。第1次世界大戦(12万人)とベトナム戦争(6万人)の死者数を併せたよりも多い。トランプ大統領は、この歴史的な責任から逃れられないだろう。一時的にせよ、このことが皆の頭の中から消えるだけでも、トランプさんにとっては大儲けというものだ。しかるに最高裁判事の人選は、それくらいアメリカにおける一大事なのである。
最高裁判事の陣容とは?
現在の最高裁判事は以下の通りだ(死去したギンズバーグ判事含む)。
*クラレンス・トーマス判事 男性・アフリカ系・ジョージア州出身→ ブッシュ父大統領が1991/10/23に指名。保守 72歳
*ルース・ギンズバーグ判事 女性・ユダヤ系・ニューヨーク州出身→ クリントン大統領が1993/8/10に指名。リベラル 87歳→死去
*スティーブン・ブライヤー判事 男性・ユダヤ系・カリフォルニア州出身→クリントン大統領が1994/8/3に指名。リベラル 81歳
*ジョン・ロバーツ長官 男性・白人・ニューヨーク州出身→ ブッシュ(子)大統領が2005/9/29に指名。 保守 65歳
*サミュエル・アリート判事 男性・イタリア系・ニュージャージー州出身→ブッシュ(子)大統領が 2006/1/31に指名。保守 70歳
*ソニア・ソトマイヨール判事 女性・ラテン系・ニューヨーク州出身→オバマ大統領が2009/8/8に指名。リベラル 66歳
*エレナ・ケイガン判事 女性・ユダヤ系・ニューヨーク州出身→オバマ大統領が2010/8/7に指名。リベラル 60歳
*ニール・ゴーサッチ判事 男性・白人・コロラド州出身→ トランプ大統領が2017/4/10に指名。保守 52歳
*ブレット・カバノー判事 男性・白人・ワシントンDC出身→トランプ大統領が2018/7/9に指名。保守 55歳
当然のことながら、野党・民主党は新しい判事の指名に反対している。最高裁判事の任命は新しい大統領が決めるべきである。直近の民意を大切にすべきではないかと。
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