日米の9月相場は本当に「大波乱」になるのか 米ハイテク株の急落が今後を暗示している?

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アメリカの市場は安倍首相の辞任表明後も絶好調だったが、その後急落。やはり9月は「鬼門」なのだろうか(写真:2013年9月のNY訪問時/AP/アフロ)

今回は、過去とは明らかに違った8月相場から振り返ってみよう。

日本もそうだが、過去のNY株の月間騰落率からは8月はさほど期待できない。だが同月31日のNY株は、月末の利益確定売りでNYダウは223ドル安、S&P500種指数も7ポイント安となった反面、ナスダックはアマゾン・ドット・コムが上場来高値を更新するなどIT関連銘柄への強い投資意欲が継続。結局、79ポイント高と2営業日連続で終値での史上最高値を更新した(ナスダックは結局9月2日まで4営業日連続で史上最高値を更新)。

9月初旬は「波乱相場の序章」だった?

このように、NYダウとナスダックでは後者が優位の対照的な結果が8月相場を象徴したといえそうだ。ただ、そのNYダウですら月間では5カ月連続で上昇。8月の上昇率7.6%は1984年以来、なんと36年ぶりの大きさと、NY株の強さが際立った。

さて9月相場が始まったが、NYダウの月間騰落率実績は、8月よりもさらに悪い。それを暗示するかのように、NYダウは9月1日215ドル高、2日454ドル高と続騰し6カ月ぶりに終値で2万9000ドル台を回復したが、3日は807ドル安と急落した。

一方、前出のようにダントツの強さを見せていたナスダックも3日は598ポイント安と大幅反落。同日のNYダウの下げ幅は一時1000ドルを超えたが、ハイテク株への利益確定売りが中心だった。アップル株の下げは8%を超え、ナスダックの下落率は約5%となり、NYダウの下落率の倍近い大幅な下げとなった。

下げの理由は特にない。史上最高値を更新する直前には、8月ADP全米雇用リポートや全米12地区連銀景況報告(ベージュブック)など、良いとは言えない景気指標が出ていたわけで、あえて言うなら、過熱現象に対する警戒売りや、5日の雇用統計を前にした短期的ポジション調整だったのだろう。

3日の下落のきっかけとなったとされる8月ISM非製造業景況感指数は、確かに7月の58.1を下回った。だが市場予想の57.0とほぼ一致の56.9であり、筆者には、これが大幅安の理由とは思えない。

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