仕事が遅い人が陥りがちな「情報過多」の大弊害 一流人ほど「リサーチに時間をかけない」理由

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このコインの表が出たら「実行」、裏が出たら「実行しない」というメッセージが出るというとてもシンプルなつくりです。レヴィットはこのサイトで1年かけて4000人の悩みを収集し、「コイン投げの決断によって人生がどう変化したか」ユーザーたちの追跡調査をしたのでした。

書き込まれた悩みとしていちばん多かったのが「今の仕事をやめるべきかどうか」、次に「離婚すべきかどうか」で、驚くことにユーザーの63%がコイン投げの結果に従って行動していたのです。

「決断すること」が人を幸せにする

さらに驚きの結果は、コイン投げの結果が表だろうが裏だろうが、悩みの解決に向かって何かしら行動を起こした人は、半年後の幸福度が高いことがわかりました。

「会社をやめる」という決断をした人も、「やっぱりこのままがんばろう」と決断した人も、いずれのパターンでも幸福度は高くなったという結果が得られた、というわけです。

『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

つまり、決断においては「どう決めるか」ではなく、「そもそも決められるかどうか」のほうが重要だということです。やると決める、やらないと決める、そうして腹をくくることが結局のところ人生の満足度を大きく左右します。

キャリア支援会社のアンケート調査によると「近い将来転職したい」と考えている人は93%という結果もあります。もちろん、それがポジティブなキャリア設計のうちなのであれば何の問題もないのですが、「やめたいなぁ……でもなぁ……」と「宙ぶらりん」の状態はパフォーマンスを落としてしまう原因になります。

なかなか決断できないことで悩んでいるときは、例えば「これから3カ月は今の仕事をやる!」とまず決めて、やめるかどうかはそのあと考えようなど、期限つきで選択をしてみるのもいいかもしれません。

堀田 秀吾 明治大学教授

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ほった しゅうご / Syugo Hotta

言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を融合した研究を展開。熱血指導と画期的な授業スタイルが支持され、「明治一受けたい授業」にも選出される。研究の一方で「学びとエンターテインメントの融合」をライフワークとし、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書等を多数執筆、テレビ番組にも出演する等、多岐にわたる活動を展開している。

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