親子で気軽に楽しめる「オンライン育児」の実力

最初から中国市場を狙うスタートアップ企業も

さらに鳥巣CEOは、「日本と同様、少子化が進んでいる中国だが、育児の市場規模は「日本の4兆円に対して中国は約50兆円と規模が大きいうえ、2桁成長している」とも話す。経済成長に伴い、子ども1人あたりに投じられる育児金額が伸びているためだ。「1人あたりの育児金額は日本の7~8割ぐらいの水準まで増えている」といい、同社のようにオンラインで育児用品や広告を手掛ける新興企業には追い風だ。

ワンドットが成長戦略として2020年から本格的に始めたのが自社アプリだ。中国版LINEと言われる「ウィーチャット」や決済アプリ「アリペイ」といった他社が提供するアプリ内で動くアプリ(ミニプログラム)の仕組みを活用。動画配信にとどまらず、絵本や育児用品を販売したり、ユーザーデータを記録して生活を助ける機能を提供したりする。例えば、妊婦の体重を記録して、基準値よりも上回ったら「食事を制限しましょう」などと助言する。

日本では事業としての難易度が高い

ワンドットはユニ・チャームとボストンコンサルティンググループ傘下のBCG Digital Ventures(東京都渋谷区)が立ち上げたスタートアップ。本社は東京だが、上海に子会社を持ち、社員60人の9割が中国人だ。日本企業であるのにもかかわらず、最初から中国に進出したのは「育児雑誌が充実している日本では、旧来型メディアに大きな不満があるわけでなく、事業として難易度が高い」(鳥巣CEO)と考えたからだ。

今年6月には日本生命保険や住友商事などを引受先とする第三者割当増資で10億5000万円を調達。これに伴い、ユニ・チャームの子会社から外れた。経営の意思決定を速め、将来は中国や日本での新規株式公開(IPO)も視野に入れている。

一方、日本では、新型コロナで外出機会が減った子どもが自宅にいながらにして先生と一緒に折り紙やダンスを楽しめる「オンライン保育園」が人気を呼んでいる。

「ニラが入っているアイスってなーんだ?」。ウェブ会議システム「Zoom」上で先生役の女性が子どもたちに問いかけると、「答えはバニラ!」と子どもたちが元気な声で応じる。「まずは半分に折ります。開いて線のところまでまた半分に折ります」。先生が折り紙を始めると、子どもたちは映像を見ながらそれぞれの折り紙を作る。

途中でついていけない子どもが出ると、先生は折り紙を元に戻して説明する。これは8月28日に千(東京都千代田区)が開催した「はいちーず!オンライン保育園」の模様だ。

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