従業員の安全を守らないのもブラック企業だ 第4回 顧客を守り、会社を守る
労働安全衛生法をもっと知ってほしい
労働安全衛生法と関係規則の多くは、過去の労働災害を教訓として定められています。この法律の趣旨を知ることは、災害防止に必ず役立つはずです。
例えば、職場ごとにどのような危険が潜んでいるのかについては、労働安全衛生法は「職場巡視」ということを規定しています。また、職場の危険性に対してどのように対処するかについては、従業員に対する安全や衛生に関する教育の実施などがあります。このことについても労働安全衛生法には定められています。
これまでの連載でも触れてきたとおり、労働安全衛生法は会社がやるべきことの最低基準を規定しているものですが、誰もが知っておくべき箇所は限られています。
あわせて、それぞれの会社や職場によって、労働安全衛生法に基づいて把握しておくべきこと、講じておくべき対策は異なりますので、その点はしっかりと押さえておくべきです。それは、転倒防止への対策であったり、腰痛防止の対策であったり、はたまた食品加工機械の使用に関する対策であったりと様々でしょう。もう一度、それぞれの職場を見直してみることが労働災害防止の第一歩ではないでしょうか。
労働安全衛生法は、職場における従業員の安全と健康を確保することを目的とする法律で、会社がその安全を確保できずに労働災害が起こった場合には、従業員の生命をも失わせる最悪の結果をもたらすこともあるのです。法律を知らなかったということでは、会社はすまされない問題です。だからこそ労働安全衛生法をもっと強く意識してほしいと願っています。
経営層においては、「従業員を守ることは顧客を守ること、強いては会社を守ること」ということを念頭において、いま職場で起きている安全や衛生に関する問題や課題について、具体的な対策や取り組みを現場に伝えることが必要です。そして、それぞれの職場においては、安全や衛生に関する対策を講じておく姿勢こそが何よりも重要になってきているのです。
今回が本連載の最終回となりますが、この法律を少しでも身近に感じていただくための一助として、拙著『店長のための早わかり労働安全衛生法』を御参照いただければ幸いです。
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