コロナワクチン実用化は米大統領選に間に合うか

疑問が浮上しているが可能性はゼロではない

ファイザーは、試験打ち切りのための具体的な基準を公表していない。同社のワクチン臨床研究開発部門シニアバイスプレジデント(訂正)のウィリアム・グラバー氏は「この基準が、有効性が非常に高いことの証明になるだろう」とだけ述べた。

拙速のリスク

ファイザー、ワクチン両社ともに7月28日にそれぞれ3万人規模の臨床試験を開始したが、2種類のワクチン接種の2回目の時期が1週間早いファイザーの方が、モデルナよりも先に結果を入手できる態勢にある。モデルナは、高リスクとされるマイノリティー住民の被験者をより多く確保するために試験をゆっくり進めたという面もある。

さらにファイザーの試験では、2回目の接種から1週間が経過した後、感染状況に関するデータの収集に入るが、モデルナはこの間隔を2週間に設定している。

元FDAのバイオテクノロジー局長で現在はパシフィック・リサーチ・インスティテュート上席研究員のヘンリー・ミラー博士は、少数の感染者数に基づく緊急使用許可では、何百万人もの健康な人への使用を想定したワクチンの安全性に対する十分な解答にならないと語り、幾つかの副作用は4カ月から半年後に発生してもおかしくないと強調した。

米バイオ医薬ベンチャー、ノババックスの研究開発責任者グレゴリー・グレン博士は、10月中のワクチン提供は可能性としてはあるとしながらも、国民はより長く待たされそうだとの見方を示した。同社もコロナワクチンを開発中だ。

グレン氏は「今は謙虚に振る舞うのが適切だと思う。FDAは(ワクチン開発)成功に厳格な基準を設けている。そのためにはかなり質の高いワクチンが申請されることになるだろう」と予想した。

(Michael Erman 記者、Julie Steenhuysen記者)

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