独断で選ぶ「座り心地がいい」新幹線ベスト10

乗車時間の大半で接し、旅の印象を左右する

■9位:800系1000・2000番台「普通車」

九州新幹線を走る、和風の内装が特徴的な新幹線。ランクインするのは、ヘッドライトが膨らんだ後期型(U007~U009編成)だ。

座席間隔は1040mmの2+2列、座席幅460mm。座席として特筆すべきは、車両ごとに異なる素材が使われたことだ。1・6号車は西陣織(柄違い)、2号車は革、3号車は粗目のモケット、4号車はゴブラン織り、5号車がツイードと素材が異なり、乗車ごとに新しい驚きがある。また中間肘掛け内に木製のインアームテーブルを備える。

座席は、初期型の800系0番台よりも座面を35mm深くし、着席時の背もたれ角度を7度から8度に変更した改良型だ。肘掛けも木製で素材の感触が心地よく、枕があるのも高評価だ。

ただ背もたれの形状が直線的で、背骨の曲線と合致しない印象がある。肘掛けも幅が狭く外側にやや湾曲している為、安定感がない。2+2列なのだから肘掛けは横幅が欲しい。

気になるフットレスト

■8位:N700S「グリーン車」

N700S確認試験車のグリーン車(撮影:尾形文繁)

東海道・山陽新幹線の最新鋭車両である。2+2列、座席間隔1160mm、座席幅480mmはN700系と同じだが、くるぶしを回転中心としたリクライニング機構で、疲れにくい姿勢で座れる。座席にはレッグウォーマー、コンセント、インアームテーブル、背面テーブル、読書灯(明るさが従来比70%向上)、網袋、多目的フックを備える。足元スペースも15%拡大され、フットレストも25%大型化されている。

座り心地は、座面と背もたれが描くラインが極めて自然で、素晴らしい着座感。座面はやや硬めだが、肘掛けはやや柔らかく、感触は良好である。テーブルがスライド式で手前に引き寄せられるのも便利だ。

ただ、2つの点が気になる。まず「フットレストの採用」だ。JR東日本、JR九州の新幹線グリーン車は、太ももを支えるレッグレストに移行している(座面と接続したレッグレストは、向かい合わせでも使える利点がある)。フットレストは足首を支えるが、身長が低い人は届かない。フットレストを採用するなら、手前に引き寄せられた方がいい。次に「防音性」。リクライニングの動作音がしない設計はグランクラス以上だが、走行音は普通に感じるので、もう少し静粛性が高まるといい。

なお、普通車については惜しくも選外としたが、気づいたことを記してみたい。座席配列は2+3列(座席幅は440mm、3人掛け座席の中央だけ460mm。車いす対応座席は420mm)で、座席間隔1040mm(1・16号車は1023mm)と、N700系のサイズを踏襲している。

特筆すべきはリクライニング時に、座面後部が沈み込む改良だ。リクライニングシートで背もたれだけが倒れると、体は前すべりし、足で踏ん張ることになるので、この改良は喜ばしい。側窓回りが卵型に凹み、窓側でも圧迫感が少ない。カーテンを下げても、ペットボトルが置ける側窓部テーブルは便利で、東海道新幹線で初めて、コンセントの普通車全席設置を実現するなど、実用面も評価できる。

ただ、身長173cmの私がリクライニングすると、湾曲した背もたれの上部が帯状に後頭部に当たり、首が浮いて疲れやすい。E7/W7系普通車のように枕があれば、体型の違いを吸収できただろう。また、ドリンクホルダーは設置したほうがよい。

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