JR、東急…鉄道「ベンチャー連携」の勝者は誰か

スピードのJR東日本、「種まき」から始める東急

京急と連携するベンチャー企業が開発したロボット。左は駅員の帽子をかぶって敬礼している(記者撮影)

そのロボットは駅員のような帽子をかぶっていた。写真を撮ろうと思ってカメラを向けたら、なんと敬礼をしてくれた。こんなユニークなロボットが8月3〜12日、横浜市の京浜急行電鉄本社のロビーで警備や案内などの業務を行っていた。

このロボットはミラロボティクス社の「ugo(ユーゴー)」。2本の腕を活用したマルチタスク機能が特徴で、来訪者の検温作業なども可能だ。「対面による感染リスクが抑えられる」(ミラロボティクスの松井健社長)。

ロビーには別のロボットもせわしなく動き回っていた。シークセンス社の「SQ-2」というロボットで、3方向に付いた魚眼レンズを使って常時360度の撮影を実現、自分の位置を自動認識し、移動することが可能だ。すでに成田空港や丸の内ビルディングなどで導入実績がある。「ロボットで警備業界の人手不足を解消したい」(シークセンス社の中村壮一郎社長)。

進む「鉄道×ベンチャー」の連携

ミラロボティクスとシークセンスの2社は京急が2017年から行っている、スタートアップ企業と連携した新規事業創出施策「京急アクセラレータープログラム」の第3期参加企業。ほかには家具の月額制レンタル、法人向け出張の予約・管理・分析といったユニークなサービスを行う企業8社も参加している。「外部のプレーヤーとのコラボレーションによって変化に対応し、新しい価値を創造したい」と京急の担当者は意気込む。

京急と連携するベンチャー企業のロボット。ミラロボティクス社の「ugo」(左)と、シークセンス社の「SQ-2」(右)。オフィスや商業施設、駅などでの活用を見込む(記者撮影)

「これらのロボットも出会ってから3カ月で実証実験にこぎつけた。これまでの京急にはないスピードだ」として、スタートアップ企業との連携の効果を強調する。まず、京急グループのオフィスや商業施設に実装し、将来は沿線の主要な駅に実装していきたいという。

鉄道業界とベンチャー企業との連携が目立つようになってきたのは2015年だ。この年、東急は鉄道業界としては初めて、ベンチャー企業を支援する「アクセラレートプログラム」を発足させた。阪急電鉄も同年、「梅田スタートアップファンド1号」を組成し、アプリ開発会社などへの投資を行っている。

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