コロナ+猛暑疲れに効く「コンビニ飯」3大鉄則 コロナ禍で変わった食と健康への意識

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本調査では「コンビニで購入する場合、ダイエットもしくは健康を考えて購入されますか」という設問で、具体的なコンビニ名や商品名も合わせて尋ねたところ、「セブン-イレブンでサラダを購入する」という自由回答が多く見受けられた。

「コロナ後、お客様からさまざまな声が寄せられましたが、健康で暮らすために、食べることに今まで以上に注意するお客様が増えておられると感じています」

セブン-イレブンが2018年から展開している「カラダへの想い この手から」マーク(写真提供:セブン-イレブン)

こう語るのは、セブン-イレブン商品本部FF・惣菜部の羽石奈緒・総括マネジャーだ。同社では、2018年から「カラダへの想い この手から」のマークをつけた商品シリーズを展開し、購買客の健康を訴求してきた。

このシリーズでは、商品に「一日で必要なお野菜を半分摂取できる」「レタス1個分の食物繊維が摂れる」といったラベルを貼っている。

また、サラダで使う野菜も、コールドチェーンで管理されているため、栄養はもちろんシャキシャキとした食感も保持される。本調査でもサラダ需要の高まりを感じられた。

羽石氏は「野菜やサラダのニーズは今後もあるため、どんどん改良していきたいです。人々の健康志向に終わりはありません」と意気込む。

食物繊維を摂りたいニーズに応える

競合のコンビニ各社でいち早く健康への取り組みを始めているのがローソンだ。同社では2012年から、低糖質、食物繊維、たんぱく質、有機野菜などの食材のおいしさ、減塩、低カロリーといった10のテーマを軸とした「健康志向の商品開発」を進めている。

現在では糖質コントロール商品は120商品ほどあり、糖質を抑えた「ブランパン」シリーズも含まれている。2012年の発売以来、毎年リニューアルを重ねており、シリーズ累計で2億9000万個以上(2020年4月末時点)が販売されてきた。

最近では、ブランパンの購買層もシニアの構成比率が高く、40〜60代の主婦がリピートしているほか、健康管理に気を配る30代女性も増えてきているという。

「新型コロナウイルスの影響で家にこもる方が多くなり、コンビニ全体の来店客数は落ちましたが、ブランパンシリーズの売り上げは好調で、リピート率も高くなりました。ブランパンシリーズの購入目的での来店もいらっしゃいました」(中食商品本部の梅田貴之・本部長補佐統括部長)

ブランパンシリーズのほか、2019年から投入された、食物繊維などの栄養成分を多く含む大麦を使用した「大麦ぱん」シリーズも売れ行き好調だ。

筆者が行った調査では、約2割の人が「食物繊維を摂取したい」と回答し、糖質制限を気にしている人も2割近くいた。

「開発する際、つねに考えていることは、おいしさが大切であることです。健康を配慮すると逆においしさから遠のいてしまう。まずはおいしいことが大前提であり、プラス健康である、これが大切だと思っています」(梅田氏)

ブランパンの原材料は小麦の外皮からコメの外皮に改良しており、現在は大麦を使用した商品も販売している。今後は違った素材のよさ、配合を考えているという。このようにおいしさを基軸にしたことで、顧客層の裾野が広がったとみられる。

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